読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

英国王のスピーチ/劇場

2011年04月29日 20時25分50秒 | ■見る
評判の映画を観てきました。良かったです。学生時代に吃音の同級生がいました。確かにどもるのですが、私は気にしていませんでした。たまたま、彼のアパートで話を聞くことになりました。それは、自身の吃音に対する強い恐れとコンプレックスの物語でした。非常にナイーブな人がなる症状なのだと感じました。
私が社会人になって、(今考えても酷い職場でしたが)非常に精神的に追い詰められて、(今から考えると)突発性難聴になってしまいました。何しろ、目の前で指示を受けていても、その言葉が聞き取れないのですから。
それら20年程が経ち、話す際に独特の間がある人に出会いました。プレゼンなどや打ち合わせの際に、入念に準備をするので驚きましたが、臨機応変な対応も必要であることを指摘しました。私の不明確な言い方によって、独特の間の開き方を指摘されたと勘違いした彼は、吃音の克服の事実を明かしました。それで、入念な準備が必要であったのでした。
このように、世の中には、人知れず苦しんでいる人々がいるのだと思います。他の人にとってはそれ程大きな問題とは思えなくとも、本人からすると非常に重大な悩みであることがあるようです。(歳を取ると気にならなくなることもありますが)
-------------------------------------------------------
URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/英国王のスピーチ
-------------------------------------------------------
さて、本作は、やんごとない英国王となってしまったジョージ六世が、不幸な生い立ちに起因すると思われる吃音のために苦しみ、克服していく過程を描いています。主演のコリン・ファースと治療したライオネル・ローグ役のジェフリー・ラッシュの二人の演技が圧巻でした。この二人の対峙こそが本作の見所です。史実に基づく物語なので、チャーチルやチェンバレンなどの実在の人物出て来ますが、それは彩りです。不条理とも思われる運命によって、望まない王位(重責)を担ってしまった男が、自らの尊厳を取り戻す話に深い感動を覚えました。
評価は4です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大洗にも星は降るなり/DVD | トップ | あかりの湖畔 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

■見る」カテゴリの最新記事