
かつて高校時代の歴史の先生は非常に地味なおじさんでした。(今の私よりも遙かに若かったと思いますが・・・。)授業は淡々としたものでしたが、カルタゴのハンニバルがローマを攻めてあわやというところで、残念ながらローマを倒せなかった、と語った時の口調は、それまでと全く違って熱がこもっており、違和感を覚えました。今からほぼ40年前のことです。
それから20年くらい経った頃「世界の歴史」という書籍を買い求めました。かなりの冊数で、読むのを途中で放棄しましたが、このハンニバルの時代は読みました。ギリシアからローマに至る歴史を、この長大な歴史書籍の作者が西欧人の視点から描いています。それでも、ハンニバルによるローマへの進撃は手に汗を握る程の熱心さで描かれていました。また、敗戦したカルタゴを、ローマ人が徹底的に破壊し尽くし、植物が育たないようにと、大量の塩をまいたとのことでした。高校時代の歴史の先生の気持ちが少し分かる気がしました。
それから更に10年くらい経ち、塩野七生さんの「ローマ人の物語」シリーズで、またしてもハンニバルに出会いました。最も、塩野さんはローマ人からの視点で描いていますので、ハンニバルのライバルとなったスキピオを中心に描いています。しかし、ハンニバルの偉業の意味が理解出来るようになりました。
さて、本作は、そのハンニバルが、スペインを経由して3000kmもの旅程を、しかも冬期のアルプス越えという常識外れの手法でローマに攻め入る場面を大きく扱っています。登場する俳優陣はいずれも立派な演技をしており申し分ありません。しかし残念ながら、年代記風の描き方で、何故ハンニバルが、ローマを攻略出来る直前でとどまったのかについて、十分に説明をしていません。また、政敵の描き方が浅いので(ある意味では客観的であるとの見方もあるかもしれませんが)物語に十分に感情移入出来なかった感じです。
評価は3です。
それから20年くらい経った頃「世界の歴史」という書籍を買い求めました。かなりの冊数で、読むのを途中で放棄しましたが、このハンニバルの時代は読みました。ギリシアからローマに至る歴史を、この長大な歴史書籍の作者が西欧人の視点から描いています。それでも、ハンニバルによるローマへの進撃は手に汗を握る程の熱心さで描かれていました。また、敗戦したカルタゴを、ローマ人が徹底的に破壊し尽くし、植物が育たないようにと、大量の塩をまいたとのことでした。高校時代の歴史の先生の気持ちが少し分かる気がしました。
それから更に10年くらい経ち、塩野七生さんの「ローマ人の物語」シリーズで、またしてもハンニバルに出会いました。最も、塩野さんはローマ人からの視点で描いていますので、ハンニバルのライバルとなったスキピオを中心に描いています。しかし、ハンニバルの偉業の意味が理解出来るようになりました。
さて、本作は、そのハンニバルが、スペインを経由して3000kmもの旅程を、しかも冬期のアルプス越えという常識外れの手法でローマに攻め入る場面を大きく扱っています。登場する俳優陣はいずれも立派な演技をしており申し分ありません。しかし残念ながら、年代記風の描き方で、何故ハンニバルが、ローマを攻略出来る直前でとどまったのかについて、十分に説明をしていません。また、政敵の描き方が浅いので(ある意味では客観的であるとの見方もあるかもしれませんが)物語に十分に感情移入出来なかった感じです。
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