読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

西洋音楽史 「クラシック」の黄昏

2019年01月09日 16時50分13秒 | ■読む
岡田暁生著、中公新書刊
NHK FMの「古楽の楽しみ」という番組を楽しんでいます。パレストリーナやバード、コレルリの作品が好みですが、この番組では四人の音楽の専門家が様々な曲を紹介しています。だから、聞く範囲も幅広く興味深い。
一方で、演奏会で聞く音楽は、馴染みの曲や初めて聴いたながら感銘を受ける曲、好みでない曲と様々ですが、ピアノ演奏会では、中盤以降は、かなり高い確率で高い演奏技術を要求される(と思われる)曲を並べます。残念ながら私にはさっぱり理解出来ず、正直「騒音」としか聞こえません。さっぱり楽しめない。最近は、諦めてピアノの演奏会には行かないことにしています。
本書では、西洋音楽の通史が簡潔に書かれており、大変参考になりました。特に音楽がどの様な人の求めに応じて作曲され演奏されたのかが時代と共に変わって行く様子を説明しています。特に、近代になってから市民社会が成立し、富裕な一般市民(ブルジョア)が音楽を消費するようになったこと。(また、本書には記していませんが、次第に著作権が発生したこともあって、)作曲家と演奏家は特定の貴族や高位聖職者に依存せずブルジョア層にアピールできるようになったことが音楽のあり方を変えていったことが記されています。こうした流れから考えると、演奏家は自らの高度な演奏技術をアピールすることが求められる為、演奏会では高い演奏技術を求められる曲を選択し、そうした曲の理解する力が無い私は苦行の時間を過ごすことになるのだと腑に落ちました。
ともかく、音楽と社会との関わりが音楽のあり方を変えたという観点が一貫している(と私は理解しました)西洋音楽史をのあらましをざっくりと理解する為に好適な書でした。
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URL => https://ja.wikipedia.org/wiki/岡田暁生
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評価は5です。

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