読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

あだこ:朗読:長内美那子

2009年11月30日 19時39分11秒 | ■聴く
乙川優三郎著、講談社刊
この短編集は以下の八編を収録しています。
●悪名:「オール讀物」2005年12月号
●男の縁:「オール讀物」2005年8月号
●旅の陽射し:「小説新潮」2004年5月号、新潮社「むこうだんばら亭」2005年3月
●九月の瓜:「小説すばる」2001年10月号、集英社刊「武家用心集」2003年8月、集英社文庫「武家用心集」2006年1月
●梅雨のなごり:「小説すばる」2003年7月号、集英社刊「武家用心集」2003年8月、集英社文庫「武家用心集」2006年1月
●向椿山:「小説すばる」2003年4月号、集英社刊「武家用心集」2003年8月、集英社文庫「武家用心集」2006年1月
●磯波:「小説すばる」2003年5月号、集英社刊「武家用心集」2003年8月、集英社文庫「武家用心集」2006年1月
●芝の家:「小説現代」2004年7月、講談社「芥火」2004年9月
初めの二編以外は既刊の単行本ないし文庫本で読んでいますが、改めて読み返し、新たな感動を味わいました。乙川さんの作品は、主人公の想いを、その視界にある草花や風物などを丹念に描きながら、絶妙に表現しています。この短編集では、「磯波」の主人公奈津の孤独で端正な心持ちや生き方が、海に面した「丘の家」の庭の牡丹と梅を描きながら語られています。山本周五郎さんの作品と比べて、人の心をより繊細に映し出しています。醜さや美しさを、微に入り細に入り表現しています。他の作品では「さざなみ情話」は、その感が特に深く感じました。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/乙川優三郎
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人の心を柔らかく味わい深く描いて秀逸な作品集です。
評価は5です。

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