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星野博美著、光文社新書350刊
1966年生まれの著者が、20代に体験した中国旅行記です。アメリカの友人(男性)とともに辿った、非常に困難な列車による旅の苦労譚が語られています。また、当時香港に留学していた著者の生い立ちや中国に惹き付けられた経緯、本音での暮らしぶり、中国本国の状況などなど。
本書の組み立て方は、旅立ちまでの経緯、旅、その後の三つに分かれています。旅そのものは辛いながらも、どうと云うこともない苦労話ですが、パートナーとのズレが次第に大きくなっていく描写は、読んでいても辛く感じました。あくまでも筆者の目線で描かれているので、パートナーが感じたであろう思いは外から見える行動としてしか描かれていません。旅のその後で著者が感じた喪失感は深く、その後の人生に大きな陰を落としたようです。
その一方で、当時の中国の人々が大きな歴史の流れに流されながら、懸命に生きていいる様が活写されています。その意味を旅の終盤で著者が悟る場面も秀逸です。愚かさと賢さ、俗と聖が混在する若き日の著者の姿が鮮明に描かれています。本書は、著者の青春の墓碑銘であると思います。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/星野博美
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評価は5です。
※壁紙専用の別ブログを始めました => カメラまかせ 成り行きまかせ
1966年生まれの著者が、20代に体験した中国旅行記です。アメリカの友人(男性)とともに辿った、非常に困難な列車による旅の苦労譚が語られています。また、当時香港に留学していた著者の生い立ちや中国に惹き付けられた経緯、本音での暮らしぶり、中国本国の状況などなど。
本書の組み立て方は、旅立ちまでの経緯、旅、その後の三つに分かれています。旅そのものは辛いながらも、どうと云うこともない苦労話ですが、パートナーとのズレが次第に大きくなっていく描写は、読んでいても辛く感じました。あくまでも筆者の目線で描かれているので、パートナーが感じたであろう思いは外から見える行動としてしか描かれていません。旅のその後で著者が感じた喪失感は深く、その後の人生に大きな陰を落としたようです。
その一方で、当時の中国の人々が大きな歴史の流れに流されながら、懸命に生きていいる様が活写されています。その意味を旅の終盤で著者が悟る場面も秀逸です。愚かさと賢さ、俗と聖が混在する若き日の著者の姿が鮮明に描かれています。本書は、著者の青春の墓碑銘であると思います。
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