読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

自己チュウにはわけがある-大人心理学で分かったこと

2010年06月03日 06時36分44秒 | ■読む
齋藤勇著、文春新書刊
初心者向けの心理学者の著書を好んで読みますが、本書は実に面白く参考になりました。下記のURLにもあるように、著者はアメリカの大学で学んでおり、多くの心理学の実験を紹介しています。
--------------------------------------------------------
URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/齋藤勇_(心理学者)
--------------------------------------------------------
たとえば、ハロー効果(ある対象を評価をするとき、他の顕著な特徴に引きずられて評価が歪められる現象のこと)を実証する実験を紹介しています。
ある男子学生が、知覚の実験のために待合室で待っていると、男女ペアの学生が入ってきた。魅力的な女性です。そのあと、最初の学生は別な部屋に移動し、先程のペアの男性についての初対面の印象を正直に答えるように言われます。
もう一つの実験では、同じシュチエーションですが、女性が魅力的ではない(標準的な見かけ)の場合です。実際、ペアの男女は同一人物ですが、女性がダサイ格好をしており、評価者は異なっているとのことです。両者の実験の結果は、見事に差が生じたとのこと。無論、美人の女性が一緒の方が評価が高かったとのことです。
こうした実験例を紹介しつつ、人と人との交わりの場面で生じる様々な自己認知や他者との関係を丁寧かつ平易に紹介しています。私が特に参考になったのは、「公的自己意識」と「私的自己意識」の概念、「低モニター」と「高モニター」の概念でした。
一読をお勧めしたい良書です。
評価は5です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« お六櫛(おろくぐし):手仕... | トップ | 浮世絵摺師:手仕事 伝統の技... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

■読む」カテゴリの最新記事