下川裕治著、新潮文庫刊
まぁ、いくらなんでも、こんな金額でアジアを横断出来るのかねぇ? という疑問から手にとって読みました日本の東京から出発して、アジアの最も西に当たるイスタンブールまでを、出来るだけバスを使って移動し続ける、という企画です。残念ながら、ビルマ(現マンミャー)だけはビザが取得出来なかったので、その間は分断されたものの、バス路線のない海上や短い区間は別として、ほとんどをバスで移動したのでした。表題の金額は、食事宿泊費は含まれない、純粋に移動に要した交通費だけですが、それにしても凄いことです。著者達3人組は、全行程を27日間、車中15泊で乗り継いだのでした。韓国や中国、イランなどは、道路やバスがまともで快適であったものの、インドのバスは、読んでいても恐ろしい。何しろ、方向指示器やバックミラーがない。前のトラックを追い越す際には、クラクションを盛大に鳴らしながら、乱暴に抜き去る。空調がないので窓が開けっ放しで砂埃が酷く、しかも座席は普通の路線バスで10時間もの乗車で、降りた時には疲労困憊、身体べとべと。件のクラクションは、何とバスの内部に設置してあり、しかも客に向いて付けられていた。それでもって始終鳴らされるので、ほとんど寝られない。以上のような描写を読むと、コレは地獄だなぁ、と感じました。しかも、ただひたすら乗り続けるのだから、これは大変に苦しい道中であったと思います。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/下川裕治
http://odyssey.namjai.cc/
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昨今のテレビの企画ありきのような道行きですが、前半の東京からバンコクまでは、共同通信社から2006年の新年企画であったとのことです。本書は、「それを下敷きにして大幅に加筆し、バンコク以西は書き下ろしというスタイルで発刊にこぎ着けた。」とのことです。
本書を読んでいて思い出しました。40年近く前のことです。学生時代に同級生が、夏休みにアメリカ南部を一人でバスで旅し、その土産話を聞きましたが、非常に危険であったとのことでした。泊まったホテルはで部屋へのエレベーターで怪しい男と一緒になり不気味だったこと。その夜、銃声が聞こえたが、翌朝、別室の客が強盗に合い殺された、というような話です。本書を読むと、アジアは誠に多様で、賄賂や犯罪が、そこかしこに跋扈した危険な地域が今も多くあることが解ります。そうした地域を、私と同じ年齢の下川さんが、旅をしていることに尊敬の念を感じました。
評価は3です。
まぁ、いくらなんでも、こんな金額でアジアを横断出来るのかねぇ? という疑問から手にとって読みました日本の東京から出発して、アジアの最も西に当たるイスタンブールまでを、出来るだけバスを使って移動し続ける、という企画です。残念ながら、ビルマ(現マンミャー)だけはビザが取得出来なかったので、その間は分断されたものの、バス路線のない海上や短い区間は別として、ほとんどをバスで移動したのでした。表題の金額は、食事宿泊費は含まれない、純粋に移動に要した交通費だけですが、それにしても凄いことです。著者達3人組は、全行程を27日間、車中15泊で乗り継いだのでした。韓国や中国、イランなどは、道路やバスがまともで快適であったものの、インドのバスは、読んでいても恐ろしい。何しろ、方向指示器やバックミラーがない。前のトラックを追い越す際には、クラクションを盛大に鳴らしながら、乱暴に抜き去る。空調がないので窓が開けっ放しで砂埃が酷く、しかも座席は普通の路線バスで10時間もの乗車で、降りた時には疲労困憊、身体べとべと。件のクラクションは、何とバスの内部に設置してあり、しかも客に向いて付けられていた。それでもって始終鳴らされるので、ほとんど寝られない。以上のような描写を読むと、コレは地獄だなぁ、と感じました。しかも、ただひたすら乗り続けるのだから、これは大変に苦しい道中であったと思います。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/下川裕治
http://odyssey.namjai.cc/
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昨今のテレビの企画ありきのような道行きですが、前半の東京からバンコクまでは、共同通信社から2006年の新年企画であったとのことです。本書は、「それを下敷きにして大幅に加筆し、バンコク以西は書き下ろしというスタイルで発刊にこぎ着けた。」とのことです。
本書を読んでいて思い出しました。40年近く前のことです。学生時代に同級生が、夏休みにアメリカ南部を一人でバスで旅し、その土産話を聞きましたが、非常に危険であったとのことでした。泊まったホテルはで部屋へのエレベーターで怪しい男と一緒になり不気味だったこと。その夜、銃声が聞こえたが、翌朝、別室の客が強盗に合い殺された、というような話です。本書を読むと、アジアは誠に多様で、賄賂や犯罪が、そこかしこに跋扈した危険な地域が今も多くあることが解ります。そうした地域を、私と同じ年齢の下川さんが、旅をしていることに尊敬の念を感じました。
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