和田誠著、中公文庫刊
平野レミさんの旦那さんとして知っていましたが、亡くなった時に話題になり、色々な仕事をしていたことを知りました。
また、今まで読んだ本の中で、結構な頻度で、氏が装丁されたものがあったようだということにも気付きました。
それで「装丁物語」というタイトルと著者が和田さんであることから、手に取りました。
中身は、氏が手がけた数々の書籍の装丁の意図、工夫、見所などが述べられ、その内の半分以上が、小さいながら図示されています。
また、装丁の際に使用する画材や文具、紙のこと、表現手法なども紹介されており、飽きることなく読み進めることが出来ました。
その中には、見掛けた事があるものや、実際に読んだものもあります。
そして、何と言っても、本書の特徴的なのは、話し言葉に近い文体と、唐突な句点でしょうか。
その句点の後に、僅かな「間」があるように感じます。
このような文章を書く人は、こんなお人柄なのではないか、と、読み始めて少しで感じられます。
穏やかで内省的、ひけらかすことなく、はにかみがち、人格が確立されていて他者と親和的、持続的で探究心旺盛。
そんな感じを受けました。
不思議な雰囲気で、心が安まる書籍でした。
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○和田誠
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評価は4です。
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