読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

幸水物語、宝石物語/朗読:正田美代子

2010年05月03日 08時57分54秒 | ■聴く
森瑤子作、横浜録音図書発行
随分前に、森さんの著作を1冊だけ読みました。私が読んだことのないタイプの本で戸惑いながらも、楽しんで読んだ記憶があります。下記URLで思い返すと、多分『おいしいパスタ』ではないかと思います。
---------------------------------------------
URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/森瑤子
---------------------------------------------
非常に才能豊かで感性の深い女性のようです。自らの人生を突き詰めた生き方であったと思います。短い期間で非常に多くの作品を残しています。この2つのカセットで聞く限り、女性の立場から、女性の心情で語る世界は、男にとって非常なワンダーランドです。恋の駆け引きや繊細というか身勝手というか、支離滅裂な、それでいて計算され尽くした思考の過程は、実にお見事です。正直に言えば、実に面倒くさいので、映画などで見ている分には良いかもしれませんが、実生活では疲れてしまうかもしれません。
しかしながら、女性にとっては、こうした作品に描かれた世界は、男性が冒険小説を好むと同じように、一種の憧れなのではないかと思います。小説に惹かれるのは、そこに自分の日常ではあり得ない、つまり非日常という広大な世界が広がっているからかもしれません。そう考えると、女性も男性の精神世界の有り様もさほど違わないのかもしれません。
正田さんという、本作の朗読者の声が非常に知的で抑制がきいていて楽しく聞けました。
評価は3です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 巡査の休日 | トップ | こう変わる!介護保険 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

■聴く」カテゴリの最新記事