安生正著、祥伝社刊
安生さんの作品は「生存者ゼロ」を読んで以来です。安生さんは現職の会社員故に著作が少ないながら、新作を楽しみにしていました。
本作は、女性が主人公で、無能な政治家と某国の陰謀が絡んだ首都圏の自然災害に端を発する混乱を描いており、ステレオタイプの気味があるものの、臨場感豊かに描いた作品です。
民主党政権時に発生した東日本震災で確立したかに見える国家のリスク管理が、無能な政治家によって、人災を生み出す過程をリアルに描き出しています。同時に、理念先行の政治主導故に、官僚の実務能力を活用できなかった民主党政権時代の悪夢を違った形描き出しています。国家に忠誠を尽くす公務員のあるべき理想的な姿を描いていて感動しました。
戦後教育では、国旗掲揚と君が代斉唱に異を唱える教師達が教育し、国家を軽んじる風潮が横溢していましたが、民主党政権の失政に加え、ネットメディアの発達で、多様な情報を得られるようになったことで、最近では、保守中道の流れが大きくなってきたように思います。
安生さんは私の4歳下ですが、ほぼ同時代を過ごされており、私と似た感覚を行間に感じます。今後の著作も楽しみです。
----------
○安生正
----------
評価は4です。
※壁紙専用の別ブログを公開しています。
〇カメラまかせ 成り行きまかせ 〇カメラまかせ 成り行きまかせその2
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます