読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

チャーチル(世界の伝記25)

2010年02月04日 19時37分35秒 | ■読む
足沢良子著、ぎょうせい刊
第二次世界大戦の勝利国であるイギリス、アメリカ、ソビエトの首脳がヤルタで会談した写真は有名です。下記のURLにも掲載されていますが、チャーチルの印象は、この写真で決まったように思います。その他にも葉巻を燻らす姿など、老練な政治家という漠然とした印象を抱いていました。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/ウィンストン・チャーチル
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さて、本書は、伝記シリーズの中の一巻ですが、このシリーズは、分かり易く書かれており、主人公の人生の概略を知る上で役に立つ書籍です。チャーチルについても、大変に多くのことを知りました。例えば、幼少期の乳母が大変に有能で愛情深かったことがチャーチルの基礎を作り上げたこと。母親がアメリカ人で、イロクォイ族インディアンの血が混じっていること。文学的な才能があったことなどです。また、政治家として長い不遇の時代を過ごした後、第二次世界大戦で首相に抜擢され、強い信念と意志でイギリスを勝利に導いたことが、チャーチルの最大の業績であること、ノーベル文学賞を受賞していることなどです。
人が困難に立ち向かった時、どの様に振る舞うかは、その人の性質・性格・体験・考え方の総体として決まることだと思います。もちろん、その時の状況によって選択の余地のない場合もありますが、そうであっても選択の仕方には、その人の美意識が反映するはずです。恥をかきたくない、責任を負いたくない、逃げたくない、など実に様々な相異なる思念のぶつかり合いの中から、選択し行動するのだと思います。チャーチルは、非常に熱しやすく、しかも激しく継続して物事に取り組むタイプのようです。そして、平時よりも激動期に適した人格を持っていたようです。耐えられない程の重荷を背負いながら、困難の中で国家と国民を指導した力量は、やはり非凡であったのだと思います。その源泉は、恐らくロマンティックな性質によるところが大きいのではないでしょうか。
評価は4です。

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