読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

なぜE=mc^2なのか

2013年07月10日 18時33分59秒 | ■読む
ブライアン・コックス&ジェフ・フォーショー著、紀伊國屋書店刊
大変に興味深い本でした。以前から疑問に思っていたことの1つ、つまり物質の質量に光の速度の2乗を掛け合わせるとエネルギーと等しくなる、つまり、物質がエネルギーに変わる際に、光の速度が関係するという事です。私は一応理系なので、初心者にも分かるよう書かれている本書で説明されている数式などの説明は理解出来ましたし、時間と空間を一体不可分のものとして捉えた時空の概念も理解出来ましたが、読了しても実感として、本書のタイトルに関して納得できていません。そして私の理解能力の不足を認めなければならない程、本書は分かり易く書かれています。
それにしても本書で「へーーー」と思ったり分かったりした事がいくつもありました。核融合と核分裂のいずれによってもエネルギーが放出される理由などです。そしてびっくりしたのは、重さが異なるものを落下させたとき、空気抵抗がなければ落ちる早さは同じだということが、光にも当てはまるという事です。地球の表面ではなく、無限に平らな平面上にある塔の上から、物体と光を同時に水平方向に放出すると、地面に同時に到達するということです。実際にそんな平面はありませんが、アインシュタインの一般相対性理論による帰結であり正しいのだそうです。
その他、素粒子と宇宙の成り立ちなどに関する最先端の状況も紹介されています。例えば、ノーベル賞で話題になった「自発的対称性の破れ」も、本書で意味がやっと分かりました。分かり易いとは言っても、読み通すのに苦労した事は事実です。
評価は4です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ボーン・レガシー/DVD | トップ | 台湾人生/DVD »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

■読む」カテゴリの最新記事