
志水辰夫著、新潮文庫刊。
志水さんの2作目の作品です。良かったー。冒険小説の類で余り描かれていないのは男女の機微ですが、本作はその男女の機微で溢れかえっています。しがない学習塾の経営者が、よんどころなく事件に巻き込まれて行き、やがて自らの「男」に目覚め悪に立ち向かって行く、というありがちな展開だけでなく、男と女が惹かれ合う不思議さや不条理に納得しきりでした。
また、悪役が悪役として、それなりの自己主張や人生観を感じさせる点にも共感を覚えました。現実の「悪漢」も決して自らが悪いことをしているとは思わないものです。大方は正しいことをしている積もりです。結局、正しいことをしているかしていないかは、自らの利害を省みるかみないか掛かっているかが、私なりのリトマス試験紙ですが。どんなに正しそうなことを言っていても、結局、その一点でその人の価値が決まるように思います。志水さんの作品が書棚で読まれるのを待っています。
評価は5です。
志水さんの2作目の作品です。良かったー。冒険小説の類で余り描かれていないのは男女の機微ですが、本作はその男女の機微で溢れかえっています。しがない学習塾の経営者が、よんどころなく事件に巻き込まれて行き、やがて自らの「男」に目覚め悪に立ち向かって行く、というありがちな展開だけでなく、男と女が惹かれ合う不思議さや不条理に納得しきりでした。
また、悪役が悪役として、それなりの自己主張や人生観を感じさせる点にも共感を覚えました。現実の「悪漢」も決して自らが悪いことをしているとは思わないものです。大方は正しいことをしている積もりです。結局、正しいことをしているかしていないかは、自らの利害を省みるかみないか掛かっているかが、私なりのリトマス試験紙ですが。どんなに正しそうなことを言っていても、結局、その一点でその人の価値が決まるように思います。志水さんの作品が書棚で読まれるのを待っています。
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