佐々木譲著、新潮社刊
佐々木さんの話題の一冊です。親子3代に亘る警察官の物語です。一人目は、戦後間もなく警察官に採用された祖父で、上野周辺の派出所に勤務し、その実直な勤務ぶりにより、駐在所勤務の希望が叶います。そうした勤務の中で謎の殺人事件に疑問を持ち、密かに調べますが・・・。その立派な父を見て育った長男は、ある決意を持って警官になりますが・・・。そして更にその長男が・・・。
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年末の海に漕ぎ出した漁船が、折からの暴風雨によって遭難し、60日程を海上をさまよう。その過程で食料を巡るいざこざや、強い飢餓感に突き動かされた末の殺人など、実にリアルな文体で物語っています。そして、本作品が実際の出来事を下敷きにしたモデル小説であって、絵空事ではないことに慄然としました。
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黒武洋(くろたけよう)著、新潮文庫刊
著者は昭和39年埼玉県に生まれ、一橋大学商学部を卒業後、銀行勤務を経て映像の世界へ入り、教育映画の監督・脚本を手掛けたそうです。そして、本作で平成12年に第1回ホラーサスペンス大賞を受賞し作家デビューしたとの事です。他に「メロス・レヴェル」、「パンドラの火花」という著作があります。グーグルで検索しても、余り情報がない珍しい作家です。
さて、本作は女子高校生がク . . . 本文を読む
東京映像社制作
かつて友人が文楽に強く惹かれた、という話を聞いて驚きました。なにしろ、高校生時代彼は、アグネス・チャンの大ファンで「あんな天使のように可愛いアイドルはいない!!!」と絶賛しており、私はひたすら「????????????????????」でしたから、日本の伝統芸能たる文楽に心惹かれたという言葉がにわかに信じられませんでした。
文楽は、下のURLによれば、太夫、三味線、人形遣いの人々に . . . 本文を読む
小林頼子、朽木ゆり子著、新潮社トンボの本刊
「青いターバンの少女」で有名なフィルメールの謎に迫る内容です。目白大学助教授の小林頼子さんが主な著者で、ジャーナリストの朽木ゆり子さんが、「なぜ狙われる? フィルメール盗難史」と題して、フィルメールが描いた絵画が盗難事件に何度かあっており、その顛末を解説しています。
小林さんの解説は大変に分かり易く、私のような素人にも、十分に理解できました。また、数少な . . . 本文を読む
DVDで観て、すっかり感激したのですが、ブルーレイのドライブを購入したので、再度鑑賞しました。こりゃあスンゴイ! 解像度が全然が違うので、感動も倍以上です。何よりも、ヒース・レジャーのジョーカーがスンゴイ!人の心の中の狂気が凝縮されたような演技に改めてびっくりです。他の名優もすっかり消し飛んでしまうような名演であると思います。
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井之上喬(たかし)著、PHP新書刊
『今の日本には「許し」が無い』という言葉を、最近目にしました。何となくギスギスしていて、テレビで謝罪記者会見を見たり、政治家の弁護を放送しているのを見ていると、正直な所、気持ちが落ち着きません。もちろん、多くの場合謝罪する方々には重大な落ち度があるのだろうし、それなりの制裁を受ける事は当然ですが、寄って集ってバッシングする雰囲気には、ある種の狂気が含まれているよ . . . 本文を読む
東京映像社制作
組紐は男性にとってほとんど縁の無い物だと思います。私は着物を着る時の帯留めくらいしか思いつきません。しかし、かつて、正倉院の御物に非常に精巧な組紐があることを聞いたことがあります。本作では、埼玉県に伝わる組紐の技術を詳しく紹介しています。本作中でも紹介しており、下記URLでも紹介しているごとく、組紐は仏教の伝来に伴って中国あら渡来した物であるとのことです。
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斎木伸生(のぶお)著、上田信イラスト、光人社刊
男子は戦車が好きな人が多いと思います。小さい時に見たアメリカのテレビドラマ「コンバット」などで登場する戦車がうっすらと記憶に残っているし、ロンメル将軍の活躍など、第2次世界大戦の戦車隊の活躍など心がわくわくしました。まぁ、本当は戦闘機の方がもっとわくわくしましたが。
さて、著者の斎木さんは1960年の東京生まれで、早稲田大学政治経済学部を卒業し、同大 . . . 本文を読む
平岩弓枝著、横浜録音図書発行
平岩さんは、非常に多くの作品を世に送り出していますが、作家活動の初期に「鏨師」で直木賞を受賞されています。その後、賞のプレッシャーで苦しんだ、とご本人が記していますが、下記のURLに見るごとく、膨大な作品群を世に送り出しています。
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URL => http://ja.wiki . . . 本文を読む
写真・回想録:ワルデマール・アベグ 文:ボリス・マルタン、日経ナショナル ジオグラフィック社刊
本書は、1873年にドイツ、ベルリンの裕福な家庭に生まれ、10代から写真を趣味とし、大学で法律を学び、卒業後は公務員となり、32歳で世界一周に旅立った人物の回想録を元にした著作です。旅立ちは1905年。正に20世紀の初頭に当たります。そして、回想録は80歳を過ぎてから書いています。
一方、ボリス・マルタ . . . 本文を読む
茨城県つくば美術館で5月23日まで開催している展覧会です。本名は飯島考雄、茨城県に生まれた芸術家です。展示作品は、下記のURLで見るごとく、実に鮮やかな虹色の作品です。見た瞬間「???」でした。アクリル絵の具で描かれた作品と、シルクスクリーンで描かれた作品がありましたが、近くで見ると、シルクスクリーンの緻密な表現に驚かされました。どの様に作るのか・・・。
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小竹雅子著、岩波ブックレットNo.670
定年までの年数が少なくなってくると、自然と定年後の生活が気になります。特に介護保険は、何となく分かっているのですが、実態はさっぱり分かりません。それで、簡単な入門書を読みました。
本書は岩波ブックレットシリーズの一冊で、著者の小竹さんは、障害のある子ども達と保護者などの就職支援などの活動を重ねられた方のようです。
題名の通り、介護保険制度の解説ではなく、改 . . . 本文を読む
森瑤子作、横浜録音図書発行
随分前に、森さんの著作を1冊だけ読みました。私が読んだことのないタイプの本で戸惑いながらも、楽しんで読んだ記憶があります。下記URLで思い返すと、多分『おいしいパスタ』ではないかと思います。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/森瑤子
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佐々木譲著、角川春樹事務所刊
昨年10月に出版された佐々木さんの道警シリーズの最新作です。相変わらず魅力的な人物達が、回を重ねる毎にキャラクターをくっきりと現して活躍します。今回の主役は、婦警の小島百合巡査です。
第一作では、大分オバさんっぽく感じましたが、前作の「警官の紋章」以来、少し歳の行った魅力的な女性として描かれています。
物語は、シリーズ第一作からの「ある事件」を基底として引きずりながら . . . 本文を読む