読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

警官の血(上・下)

2010年05月16日 12時07分23秒 | ■読む
佐々木譲著、新潮社刊
佐々木さんの話題の一冊です。親子3代に亘る警察官の物語です。一人目は、戦後間もなく警察官に採用された祖父で、上野周辺の派出所に勤務し、その実直な勤務ぶりにより、駐在所勤務の希望が叶います。そうした勤務の中で謎の殺人事件に疑問を持ち、密かに調べますが・・・。その立派な父を見て育った長男は、ある決意を持って警官になりますが・・・。そして更にその長男が・・・。
-----------------------------------------------
URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/警官の血
-----------------------------------------------
上記のURLによれば、2007年にテレビ朝日の開局50周年番組としてドラマ化したとの事で、昨年の2月に放送されたとの事です。また、2007年の日本冒険小説協会大賞を受賞し、2008年には「このミステリーがすごい!」では第1位になったとの事です。更に第138回直木賞の候補にもなったとの事。ハードカバー2冊の大作ですが、飽きることなく読めました。親子3代のそれぞれの運命は、全く予断を許さない展開でした。また、登場人物が、それぞれにリアルで深みがあります。更に、正義とは何か、誠実に生きるとは。一人ひとりが精一杯に生きる軌跡が交差して感動的な作品となっています。予定調和ではない、ある種の苦さが余韻となって残りながらも、生きる事を肯定したくなる作品でした。
評価は5です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 海神丸/朗読:沢りつお | トップ | 押絵羽子板:手仕事 伝統の技... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

■読む」カテゴリの最新記事