松井今朝子著、小説新潮連載
小説新潮2018年5月号まで連載された作品です。松井さんの作品を初めて読みました。舞台は昭和初期の東京。日本は中国に触手を伸ばし、欧米の国々に警戒され、次第に戦争へ傾きかけていた。芸能に造詣の深い大学講師の主人公が、姪の見合いで訪れた歌舞伎座で見掛けた人物が殺されてしまった。その犯人捜しの物語。歌舞伎への深い知識を生かした歌舞伎界の内情と当時の時代背景を見事に再現してい . . . 本文を読む
CIAの秘密作戦で生み出された特別な赤ちゃんの内の一人を、故あってエージェントの一人が連れ去り、秘密作戦は隠蔽されます。16年後に、育ち上がった少女とエージェントが深い森の中で生きています。頭脳と肉体の厳しい訓練を重ねて、持ち前の才能を開花させた少女は、思春期を迎え森の外へと関心を向けます。やがて・・・。
中心的な俳優陣がいずれも素晴らしい演技で、見事な格闘シーンの演出も見応えがあります。とはいっ . . . 本文を読む
中村安希著、集英社刊
中村さんの著作「食べる。」、「インパラの朝」に次に読んだ三冊目の作品です。著者は、育った土地柄から「肉と言えば牛肉」という思い込みから、幾つもの体験を経て「豚肉」に思いが募り、「豚」を求めて旅立ったとのこと。
いきなり「豚」が禁忌のイスラム世界へ。しかし、イスラム世界も多様であり、更にイスラエルでさえ、実は一様ではない。しかし「豚」を巡るあれこれは、世界各国を巡ってもはっきり . . . 本文を読む
2001年に公開されたフランスとアメリカの合作映画です。中国の警察官リュウが麻薬捜査のためパリにやってきます。地元警察リチャードと共に麻薬密売の元締めを逮捕しようとしますが・・・・。
主演の中国人警察官をジェット・リーが演じており、切れのあるアクションと透明感ある演技が印象的でした。ヒロインはブリジット・フォンダでピーター・フォンダの娘と知りました。へぇ~という感じでした。敵役はフランスの俳優でし . . . 本文を読む
乙川優三郎著、小説新潮連載
小説新潮2018年5月号まで連載された乙川優三郎さんの作品です。乙川さんの時代劇以外の作品では「R.S.ヴィラセニョール」、「トワイライト・シャッフル」に続いて、三作目に読む作品です。(他の登場人物も含め)主人公の心の揺れ動きを鮮烈で簡素な文体で描いていて秀逸です。旅行代理店勤務から書評家、エッセイストとして身を立てている主人公の女性と、写真家から作家に転身して成功した . . . 本文を読む
2003年公開の韓国映画です。飲んだくれて警察に連れて行かれた男が署内でわめいているが、友人が来てやっと解放される。友人が電話している間に、男が姿を消してしまう。男が目を覚ますと、ホテルの部屋のような場所に監禁されている。訳が分からず騒ぎ立てるが誰も助けに来ない。食事がきちんと届けられ、何度も自殺未遂を起こすが、必ず失敗する。やがて男は部屋からの脱出を計画し、ようやくその時が来た・・・。
と、そこ . . . 本文を読む
洋泉社MOOK刊
最近耳にする「GAFA」なるものは「アメリカ合衆国におけるGoogle、Amazon.com、Facebook、Apple Inc.の4つの主要IT企業の頭文字を取って総称する呼称である」とのことです。私は、「Google」と「Amazon.com」にはすっかり馴染んでいますが、多くの人が、他の2社の製品やサービスを必需品と感じている事でしょう。
私は西暦2000年当時、現在のI . . . 本文を読む
30年前位に、仕事で出会った方に「姫神」という音楽グループ(?)のことを聞きました。大分経ってからたまたま姫神のアルバムを聴いて「森渡り」という曲が気に入りました。男声の独特な声と歌唱法がホーミーの響き同じように聞こえ、楽しげなリズムに乗って伸びやかに広がって行く。
音源を「mp3」で保存しておいたので、「wav」に置き換えるべく改めてCD(風の縄文)を聞き直していく内、気になって調べると下記UR . . . 本文を読む
イアン・スチュアート著、河出書房新社刊
周囲の自然の中に見られる規則立ったパターンに触れると、色々な感情が湧きます。花や果実の形。氷砂糖や雪の結晶。シマウマやヒョウなどの動物に見られる模様。ある時は美しさを、ある時は恐れを、そしてある時は自然の不可思議さを感じます。
本書は、雪の結晶から始まり、自然界に見られるパターンを探求し、その背後にある秩序を明らかにして行きます。私達が知る多くの現象の中に秘 . . . 本文を読む