夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

至福の時

2005年04月26日 03時58分16秒 | 私も作ってみました
04/26/2005 15:07:26 

仕事が終わり、口にタバコを銜え、ライターで火をつける。
目の前に広がる紫煙を見ながら、ふっと体中の澱が抜け出るような安らぎを覚える。

タバコを美味しいとは特に思わない。
そのような幸運は年に一度あるかないかだろう。

でも体中のこわばりが抜けて行き、
頭の中のはちきれんばかりのデータたちが煙の中で薄らいでいくとき、
一時の安らぎを楽しむ余裕を感じさせる。

タバコを美味しいとは特に思わない。
でもタバコの与える安らぎの中に、
これが、自分の命を、かんなのように、ひと削り、ひと削りしていっているという思いが、
タバコの味に深みを与えているような気がする。

何の楽しみも、何の喜びも見出せないこの人生。、
でも自分でその命を断つ勇気さえない私。

タバコのひと削り、ひと削りは、私に望みを与えてくれる。

もっと早く楽になりたい。

タバコの一服
ひと削り、ひと削りの命。