夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

「落花随流水」    きちんとしなきゃ

2006年04月28日 12時40分40秒 | 日記
04/28/2006 22:51:56

むかしむかし、ある出版社から本の原稿の監修をして欲しいって頼まれた。
ちょっとだけ見てみると、かなり思い違い、ミスがある。
直せるものには赤を入れていったけど、そこを直すと前後関係が続かなくなったり、話が見えなくなるようなシリアスな間違いも散見された。
これじゃってので編集担当に電話をし、それを見せながらどうしようかと相談した。
彼曰く、「これは講演会の記録で、もう話としてでちゃったものだし。その方も亡くなっているから直せないので、そのまま出すしかありません」とのこと。
作家は歴史の専門家で、歴史小説や、文明論みたいなエッセイもたくさん出している人。大きなシリーズものもでているし、NHKなどでもそれから番組を作ったりしている超超有名人。
彼は三大紙の出版部員なので、会社としても変なものは出せないけど、、、みすみす売れるものを止めるわけにもいかない。
「あの先生は講演の前の下調べをしないんです。だから時々、間違いだって指摘が来たりして」って彼は苦笑していたが、苦渋の選択だったのだろうと思いながら、でもこれじゃ私の事務所の名前も私の名前も出すわけにはいかない。
今後ともこの出版には無関係にしておいて欲しいとお願いし、手を引いた。


今、ふっとこのことを思い出しているのは、最近私がこの先生状態なんだよな~って感じている。

日記を書く、人の日記にコメントをつけたりする。
何となくうろ覚えのまま、原典にあたりもせず、そのまま書いてしまう。

最近も人の日記に「落花随流水」ってあって、ああ「従容録」かって、ろくに確認もしないでコメントをつけちゃった。
で、その人から「落花意有随流水、流水無情送落花」って書いてきた。
私は「落花有意随流水 而流水无心恋落花」を書いていたので、随分と違うものになってしまう。
「従容録」の話はこの人のお仲間たちが、寒時寒殺とか、魚が竜になる話とかに、ハクション大魔王の話と全く同じ感覚で飛んじゃったりして、そのまま皆理解して話が続いているんですよね。
もちろん「従容録」は彼ら、彼女らの単なる知識の一つにしか過ぎない。

ちなみに上で、チェックを入れてきた人は朝の3、4時にワインを一人で一本飲んで朦朧としているっていいながら、「あれっ?」てチェックをかけられる人。

そりゃ、口にするもの、書くもの、そのほか何か自分を表現しようと思えばちゃんと引用などにも心を配り、原典チェックくらいは当たり前。
常識でしょうと言われればそうなんだけど、それができない。できていない。

だから、こんなチェックを入れてくる人がいると、汗~って感じで冷や汗がでる。
大雑把、なおざりはいけない。
きちんとしなきゃ。

とは、何かあるたびに、何時も思うんだけど、
でも気がつくとまた同じことをしているんだ、私は。
また、何か失敗したかな?????