夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

こんな生き方もある

2011年05月24日 21時01分04秒 |  姥捨て山は大騒ぎ
赤い風車の回りに起こっていることなのですが、
知人が、大動脈乖離、そしてそのショックで食道破裂。
救急車で搬送された病院でははでな吐血と下血で、食道のほうにばかり気をとられて3日。なんかおかしいということで、再度CTを撮って、あれ大動脈乖離もある、でもここには心臓外科はないということで再度救急搬送。

次の病院では、さて困った。
本来、すぐに手術で大動脈乖離を何とかしたいけど、下手をすればふさがる様子を見せている食道がまた破裂しそう。
この状態では発作が起きて2日で8割は死んでいたはずの大動脈乖離もなんとなく落ち着いて、悪化しないでいる。
ままよ、しばらく絶対安静で様子を見て食道の傷がふさがるのを待とうってことになりまして、それから1週間以上、水も飲めないような安静を経て、晴れて(?)心臓外科へ。

ところが、心臓外科では、「手術!」っててぐすね引いて待っておりましたね。
で、知人は、「まず、状況を説明してください」ということで、手術の手順の説明を受けました。

まずは心臓から出ている右側の冠状動脈を切除。人工血管に取替え。半年から8ヶ月ぐらいして、落ち着き、回復してから、左側の冠状動脈をなんとかする、、、(裂けた部分から内臓のほうに血が流れているのだそうですけど、それが十分かどうか、、それも問題ありなのだそうです)。そして、さらに半年から8ヶ月位してなにかまたやるのだそうです。

知人は、仮に、ひとつの手術の成功率が7割なら、一年半以上で三回も手術して成功率は3割5分ですかって、、、、、(こんな確立ありかどうか、私には不明だけど)ごねたみたい。

知人の、「もしその手術を受けなかったらどうなる」かって質問に対しては、担当医はしぶしぶながら、「本来、発作が起こってから2日も何も処置されなかった。この間の致死率は8割。それがなんとなく生き残って、特に乖離が進んでいる兆候もない。うまくすれば、(というのは、心臓に負担をかけないような今の状態を続けられれば) このまま落ち着いていくかもしれない」

これを聞き出して、知人は、「じゃ、手術は受けません、それを前提にした検査も受けません」って宣言してしまったそうです。
かれは、これから、発作以前のような状態にはなれないでしょうし、心臓に負担をかけるような動き方はできなくなります。
家に帰って、何ができる、何ができない、、、、、これから一つ一つ検証していかなければなりませんが、できないことはたくさんたくさん出てくるでしょうね。


この知人、ずっと昔から、ある程度歳をとってきたら、若い人たちと同じような能力を回復させてあげる必要があるのだろうかって、今の老人医療に疑問を口にしておりましたので、彼の思いを如実に反映した判断になったなと、私には思えます。
余命が10年ちょっと、ここできつい思いをして、危険を冒して、1年半の手術に耐えて、、、、10年を生きるのか、
3年、5年になるのかわからないけど、平穏な最後を送るのか、、、、
彼は後のほうにかけたのですよね。

これをあなたにお勧めはいたしませんけど、こんな生き方もあるのですよ。