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8月26日(金)
マスコミVS玉津教育長
「一方的な報道」に懸念も
来春以降使用される中学校社会科の「公民」教科書に育鵬社版が選ばれたことをめぐり、マスコミを巻き込んだ反対運動が過熱している。新聞は選定の約1カ月前から猛烈な批判報道を展開。教科用図書八重山採択地区協議会(会長・玉津博克石垣市教育長)が進めている改革の意義についてはほとんど報道されていない。識者は「新聞社は賛成、反対双方の意見を書かなくてはいけない」と一方的な報道に懸念を示す。
▽報道されず
「説明責任の重さを受け止めて、しっかり取材に対応してきたが、新聞社によっては、思うように私の説明が市民や県民に届かない」。22日の記者会見で玉津教育長は、自らが進めてきた改革の意義が報道されないことに対する「やるせなさ」を訴えた。
玉津教育長は、教科書が事実上、現場の教員によって選定されてきた実情を問題視。2005年には各地区に対し、県の是正通知があったことを明らかにするなど「教科書は誰が選ぶのか」という問題提起に努めてきた。
一方、マスコミの多くは保守系の教科書が選定される可能性を懸念。教科書選定方法の改革を進める玉津教育長を「強引」と批判しており、玉津教育長の主張はほとんど報道されていない。両者の姿勢が全くかみ合わない状況が続いている。
保守系教科書への反対運動を展開する市民団体も連日の投稿で、マスコミを「活用」。教科書選定後は、保守市政の誕生による八重山の「右傾化」を指摘するなど、政治問題化をあおるような報道も出現した。
「マスコミを選別したいくらいだ」とこぼしていた玉津教育長だが、各社の取材依頼には「真意を伝えたい」とすべて応じた。しかし記者会見では「取材先の伝えたいことを、正確に伝えることがあなた方の仕事だと思う」と口調を荒げる場面もあった。
▽賛成、反対の両論を
玉津教育長や、育鵬社版の教科書に対する批判報道が激化している現状を、放送大学客員教授の徳松信男さんは「新聞社は賛成、反対の両論を書くべきだ」と疑問視する。
従来の教科書選定の問題点や、育鵬社版の教科書の長所に一切触れない報道について「新聞社が世論を誘導しているように感じられ、公正中立を欠いている」と冷静な対応を求めた。
育鵬社版が選定された背景となった保守市政を批判する論調については「市長が変われば教育長が変わるのは当たり前。何を追及しようとしているのか分からない」と首をかしげた。
教科書採択の反対運動と報道が連動して過熱する沖縄、八重山の現状に、取材で来島したある本土紙の記者は「異常だ」とあきれた表情を見せた。
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