この日、移設予定地への進入口付近では、警察が早朝から抗議する反対派の住民やバリケードを排除。警察と反対派が一時、激しくもみあった。

 「警察力を用いて住民を強制的に排除する事態は、県民に大きな衝撃と不安を与える。誠に残念」。上京中の翁長氏は午後、記者団に不快感を強調した。ただ、工事への賛否については「意見を集約しながら物事を進めていく」と明言を避けた。

 ログイン前の続きヘリパッド移設は、1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告に、北部訓練場の半分超の返還の条件として盛り込まれた。返還される区域のヘリパッド7カ所を高江集落の周辺の6カ所に移設することが条件となった。

 国は2007年に着工したが、そのころから反対派の抗議活動などで工事はたびたび中断。14年までに、県道に近い2カ所を完成させたが、残る4カ所は未着工だった。

 翁長氏の言葉の歯切れの悪さの理由は、自身がおかれている状況にある

 翁長氏を支持する社民や共産は「集落に近すぎる」などとして計画に反対。県議会も21日、ヘリパッド移設工事の中止を求める意見書を県政与党の賛成多数で可決した。一方で翁長氏は、基地負担軽減のため、SACO合意の「着実な実施」を求める立場をとってきた。地元の東村、国頭村も返還への期待が大きく、自然が残る返還区域を国立公園に指定し、世界自然遺産登録も視野に入れる。東村の伊集盛久村長は「まずは返してくれるというものを返してもらうのが大事だ」と話す。

 板挟み状態の翁長氏は、米軍輸送機オスプレイがヘリパッドを使用している点を挙げて、「オスプレイの運用は想定外だ」と批判してきた。ただ、環境影響評価のやり直しといった具体的な要求はしていない。

 こうした中で、政府は参院選翌日の11日早朝、残りの4カ所の工事再開に向けて、訓練場内に資材を搬入した。翁長氏は「不意打ち的だ」と反発。だが、ある県幹部は言う。「高江は、辺野古のような県民的な議論になっていない。しばらく様子を見るしかない」(岡田玄、上遠野郷)

■政府「目に見える」実績づくり重視

 「手順を追って丁寧に進めている。移設工事を着実に進め、一日も早い返還に向けて全力で取り組んでいく」。ヘリパッドの移設工事が始まってから約4時間後。22日午前10時過ぎに防衛省に姿を現した中谷元防衛相は記者団にこう述べ、沖縄県の基地負担軽減に取り組む姿勢を強調した。菅義偉官房長官も同日の会見で「沖縄県の皆さんの基地負担軽減に資するようにしたい」と語った。

 米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設計画をめぐり、政府は同日、翁長知事が移設先の埋め立て承認取り消し処分の撤回を求める是正指示に従わないのは違法として、地方自治法に基づく違法確認を求める訴訟を福岡高裁那覇支部に起こした。

 それだけに北部訓練場の返還を先行させて「目に見える形」での実績とし、現地に根強い反米軍基地感情を和らげたい考えだ。また北部訓練場の返還は、SACOの最終報告に盛り込まれているため、SACO推進を求める翁長知事も反対しづらいとの判断もある。

 移設が完了すれば、北部訓練場約7800ヘクタールのうち、半分以上の約4千ヘクタールが返還される。中谷氏は「沖縄県米軍基地の面積が約2割減少する」と数字を挙げてアピール。政府高官は「できれば年内に移設工事が終わればいい」と語り、早期実現を目指す。(二階堂勇)

               ☆

東子さんの鋭いコメントの紹介。

   
「翁長知事の苦悩」暴露記事の追い打ちを、どうぞ。

「板挟み翁長氏、工事賛否の明言避ける ヘリパッド移設 岡田玄、上遠野郷 二階堂勇 2016年7月23日01時31分」
http://www.asahi.com/articles/ASJ7Q5T0YJ7QTIPE03Q.html

>政府と沖縄側の新たな火種に発展する可能性もあるが、地元では基地返還への期待もあり、翁長(おなが)雄志(たけし)知事は難しい対応を迫られている。
>翁長氏は午後、記者団に不快感を強調した。
>ただ、工事への賛否については「意見を集約しながら物事を進めていく」と明言を避けた。
>翁長氏の言葉の歯切れの悪さの理由は、自身がおかれている状況にある。
>翁長氏を支持する社民や共産は「集落に近すぎる」などとして計画に反対。
>県議会も21日、ヘリパッド移設工事の中止を求める意見書を県政与党の賛成多数で可決した。
>一方で翁長氏は、基地負担軽減のため、SACO合意の「着実な実施」を求める立場をとってきた。
>地元の東村、国頭村も返還への期待が大きく、自然が残る返還区域を国立公園に指定し、世界自然遺産登録も視野に入れる。
>東村の伊集盛久村長は「まずは返してくれるというものを返してもらうのが大事だ」と話す。
>板挟み状態の翁長氏は、米軍輸送機オスプレイがヘリパッドを使用している点を挙げて、「オスプレイの運用は想定外だ」と批判してきた。
>ただ、環境影響評価のやり直しといった具体的な要求はしていない。
>北部訓練場の返還は、SACOの最終報告に盛り込まれているため、SACO推進を求める翁長知事も反対しづらいとの判断もある。

あーーぁ、朝日にも、翁長知事の矛盾を書かれてしまった。
こんな矛盾は、知事選に立候補したときから、分かっていたが、矛盾を隠していたのは、タイムス、新報。
矛盾を隠していても、注意深く読めば、矛盾は散見していた。
仲井真氏に投票した26万人は、見抜いていた。

 
 
 

反対派の活躍ぶりの記事、ほい。

「県道封鎖の禁止求める 高江周辺住民ら地裁に申し立て 2016年7月22日 06:44」
高江ヘリパッド 社会・くらし 注目
https://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=179552

>ヘリパッド建設予定地の東村高江周辺の住民ら8人は21日、沖縄県や県警本部、名護署に対し、予定地周辺の県道70号の封鎖や検問の禁止を求める仮処分を那覇地裁に申し立てた。
>申立書によると、福岡県警が19日に70号線上の2カ所で実施した検問は「反対活動を違法に制限する目的だった」と指摘。
>「交通安全および交通秩序の維持」として行われなければならないとした最高裁判決に反し違法だと主張している。
>住民側は道路が封鎖されれば、通勤や買い物などで移動する自由が侵害されるとし、検問では個人情報が国よって違法に収集されると訴えている。
>住民側代理人の小口幸人弁護士は「実際に封鎖され、検問が実施されれば権利の侵害が起きる。その場合は民事訴訟を検討している」とした。

実際に、22日に反対派が

チョイさんの沖縄日記「高江・250人が徹夜の座り込み---車両165台でヘリパッド工事入口を完全封鎖」 2016年07月22日 | 沖縄日記 高江」
http://blog.goo.ne.jp/chuy/e/6247c77c1d02ff87aeea43905c6da30b

と、「完全封鎖」をして戦果を誇る以上、「通勤や買い物などで移動する自由が侵害される」ので、警察は「交通安全および交通秩序の維持」を理由に、検問をせざるを得ない。

「完全封鎖」した車両のナンバー、警察に控えられたとの噂あり。

道路交通法76条3項「何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない」に違反したのだから、ナンバーを控えられて、当然。
「検問では個人情報が国よって違法に収集される」ことを恐れるのに、控えられて当然のことを平気でするサヨクってわからん。

 

(おまけ)
チョイさん=平和市民連絡会の北上田毅(辺野古抗議船船長)

「高江訴訟 上告を棄却 最高裁、住民敗訴が確定 2014年6月18日 10:19」
http://ryukyushimpo.jp/news/prentry-227168.html

>米軍北部訓練場の一部返還に伴う東村高江でのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の建設現場で反対運動を続ける住民に対し、沖縄防衛局が通行妨害禁止を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は17日までに住民の伊佐真次さん(52)の上告を棄却した。 

 
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