新型コロナを巡る政府の対応に「自粛に委ねる」などと、一見無為無策の対応にテレビの安倍批判激しい。
だが、新型コロナの感染者(陽性)は毎日発表されるが、感染者の内どれだけの人数が発病したか、発病者の中でもどれだけの人数が重症なのか。
これらについての発表はない。
更に一番肝心なコラナによる死亡者の数も伏せたままである。
政府、帰省めぐり矛盾露呈 「お盆」直前、混乱必至
8/4(火) 7:14配信
時事通信
記者会見する西村康稔経済再生担当相=3日午後、東京都千代田区
8月のお盆の時期を目前に控え、新型コロナウイルスの感染対策上、帰省をどうするかをめぐり政府内のずれが表面化した。
【図解】Go To キャンペーンの仕組み
県をまたぐ移動も伴う家族などの旅行は「Go To トラベル」で強力に推進する一方、帰省は高齢者への感染リスクを考慮し、国民に慎重な検討を呼び掛けた。矛盾とも取れる対応に、混乱は避けられそうにない。
西村康稔経済再生担当相は2日の記者会見で、お盆の帰省について「慎重に考えないといけないのではないか」と表明。これに対し、菅義偉官房長官は3日の会見で「帰省を制限する、しないの方向性を述べたものではない」と行動制限の意図を否定した。だが、西村氏は同日、この後の会見で「おじいちゃん、おばあちゃんと会えば感染リスクがある。十分注意してもらわないといけない」と慎重な姿勢を崩さなかった。
7月31日の新型コロナ対策分科会では、8月中旬にかけて全国的に本格化する帰省の在り方が問題提起された。無症状感染の多い若年層と、重症化リスクが高い高齢者の接触機会も増えるため、専門家らからは帰省による感染拡大を懸念する声が上がる。帰省に慎重な対応を訴えた西村氏の2日の発言は、こうした経緯を踏まえたものだ。
一方、政府は6月19日、県をまたぐ移動自粛要請を原則解除。7月22日には、全国で感染者が急増する中、「Go To トラベル」キャンペーンに踏み切った。感染拡大を防ぐ観点から、帰省と家族旅行にどれだけの違いがあるのか。西村氏は「家族旅行で感染防止策を講じて過ごすのは問題ない。祖父母と過ごすとなると事情が変わってくる」と説明するが、分かりにくさは否めない。
そもそも、新型コロナをめぐる政府の対応は「アクセルとブレーキを同時に踏んでいる」と再三にわたり批判されてきた。背景には感染拡大防止と経済活動再開のどちらに重きを置くか、政権内で意思統一し切れていないことがある。
西村氏は感染防止策を最優先したい専門家と日常的にやりとりしていることが、発言ぶりに影響しているようだ。これに対し、菅長官は「少しでも経済を動かそうという思いだ」と言い切る。政府関係者によると、帰省をめぐる分科会の議論に際し、首相官邸は「『Go To』には触れないように」とくぎを刺しているという。
政府内の「溝」が浮き彫りとなる中、安倍晋三首相の存在感は希薄だ。3日の政府・与党連絡会議でも「『新たな日常』を早期に実現し、日本経済をしっかり回復軌道に戻すため、全力を尽くす」と基本方針を繰り返しただけだった。
各地の自治体首長からは帰省の是非に関する発言が相次ぐなど、帰省時期を前に波紋が広がる。政府は見解の統一を迫られており、西村氏は会見で、週内にも開く次回の分科会を受け「政府方針をお示しできればと考えている」と語った。
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武田邦彦中部大教授の検証によると、我が国のコロナによる死亡者は4月が370人に対し、7月は31人。
死亡者は漸減しており「第2波」の可能性は少ないという。
コロナの対応で一番問題の死亡者数が先進国の間では最下位で在り、しかも先進国の間では国民に対する規制が一番緩い「自粛」である事実から、政府は国民に厳しい対応をしない方が死亡者の数が一番少ない、という結果が出ている。
結果論から言えば安倍首相の対応は先進国の中で一番成功した例と言っても過言ではない。
【おまけ】
「第2波」という錯覚が起こった単純な理由
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新型コロナの検査陽性者数が全国各地で増え、「第2波」と騒がれている。たしかにPCR検査の陽性者数は増えているが、これは統計的には無意味な数字である。今の検査は症状の出た人が中心で、サンプルが大きく片寄っているからだ。
これは統計学の初歩だが、統計は母集団をすべて調べるものではない。たとえば日本人の平均年齢を知るには、全国民の年齢を知る必要はない。特定のサンプルで平均を計算し、チェックするのはそのサンプルにバイアスがないかどうかである。
普通の感染症では、こういう統計手法が確立しているので、すべての患者をカウントしないで推定する。たとえばインフルエンザでは、全国にあるサイト(病院)ごとの患者数を5万倍して患者数を推定する。
だがコロナではサンプルと母集団の関係がわからないので、検査で陽性になった人をカウントしている。したがってコロナ陽性者数をインフルの推定患者数と比較するのは正しくない。
5月までは保健所に届け出た(自覚症状のある)人を検査していたが、6月からは無症状の人も検査するようになった。このため6月下旬には4000人程度だった検査人数が7月から急に増え、7月末には1万人6000人(7日移動平均)と4倍に増えた。
検査陽性の増えた原因は単純である。この図でもわかるように、検査人数が増えるのに比例して陽性者数も増えたからだ。特に6月から検査方法が大きく変わって無症状者に検査を拡大したことが、陽性者数の増加の大きな原因だ。
5月は陽性者数が減ったので自粛の効果はあったと思われるが、緊急事態宣言解除はほとんど影響がなかった。自粛のゆるみで感染の第2波が来たのではなく、検査が増えたことが陽性者の増えた最大の原因である。
検査人数を一定と想定する実効再生産数やK値は、流行の指標にならない。検査人数で割った陽性率は3%から9%に増えたので感染は拡大しているが、東京では7月に入って6.5%前後で一定している。第2波と呼べるような爆発的な流行はみられない。
死者は逓減している
コロナの母集団はインフルと同じ方法では推定できないが、今の9%という陽性率を全人口にかけると1100万人。これが最悪の場合だろう。海外では10%を超える抗体陽性率も出ているので、ありえない話ではないが、日本では抗体検査の陽性率は1%以下である。
ただ日本人の死者が少ない原因が自然免疫だとすると、その効果は抗体検査で検出できない。高橋泰氏は「日本人の35~40%がコロナ暴露を経験した」というが、これは単なる推測である。
日本人の40%がコロナウイルスを浴びたとすれば、それはPCR検査でわかるはずだが、ソフトバンクグループが抗体検査のとき行ったアドホックなPCR検査では、陽性は抗体陽性より少ないという結果が出た。
今までのPCR検査や抗体検査の結果をみると、日本人の中でコロナウイルスに感染した人は1%以下と考えるのが妥当だろう(それ以上と想定するデータがない)。残り99%がどうなるかは、議論のわかれるところだ。
一つの考え方は西浦博氏のように「理論的にありうる上限まで感染は拡大するので、今は序幕だ」と考えることだ。基本再生産数が2.5だとすると、感染は人口の80%が感染するまで止まらない。9%で止まるとしても1100万人が感染し、致死率1%だと11万人死ぬ。
もう一つは、日本人の大部分が何らかの原因でコロナに免疫をもっていると考えることだ。たとえば高橋氏の想定するように日本人の98%が自然免疫をもっているとすれば、死者はたかだか3000人程度だろう。
どっちも実証的根拠はないので断定はできないが、これまでの経験からいえるのは、西浦氏の予言した指数関数的な感染拡大は起こらなかったということだ。上の図でもわかるように、検査数で割った陽性者数はたかだか一次関数であり、これが今後、劇的に変わるとは考えられない。
これまでのデータから考えると、陽性者数の上限を決めるのは検査数の制約だろう。安倍政権は「1日2万件」と約束したので、検査件数は今後しばらく増え、陽性者も増えるだろうが、それは問題ではない。
死者は5月は462人だったが、6月は80人、7月は36人と大きく減った。死者は指数関数どころか逓減しているのだ。6月から陽性者数が増えたのに死者が減ったのは、5月までの陽性者数が(検査態勢の不備で)過少評価だったことを示唆している。
陽性者数は当てにならないが、死者数は信頼できる。医師が死亡診断書を書くときは、母集団を全数調査するからだ。この指標をみるかぎり、日本で「第2波」が来た形跡はなく、今後も来るとは考えられない。