成田発メキシコシティ行き。
ひと昔前は、JALの成田発ロス経由のサンパウロ便などの長距離便があったが、今はANAの成田発メキシコシティ行きが日系国際線の最長距離便になっている。行きは追い風に乗って12時間半、帰りは向かい風になり14時間半はやっぱり長かった。
時差がマイナス15時間あり、成田を夕方経っても到着は同じ日の午後2時半。治安の面であまり評判の良くないメキシコシティに明るいうちに着けるのはありがたかった。ありがたついでに市内までは地下鉄を利用する。メキシコの地下鉄はどこまで行っても一律5ペソ(45円)と激安。ただしスリも多ようで、被害の実例もたくさん語られているせいか、短期旅行者は避ける人が多いらしい。けれどこういうのは、一度利用すると案外慣れるのもなので、妻には何も言わず「地下鉄は渋滞もないし便利で早いから…」と言って、あえてタクシーは使わなかった。これが功を奏したようで、その後も市内の移動は、ほぼほぼ地下鉄で済ませた。メキシコシティはウーバーも使える。一度夜になってからの移動で使ってみたが、それほど高くないし、たしかに深夜は早朝はこっちのほうが安全だなと思った。
旅先での旅程はいつも妻と折半する。旅の趣向がもう絶望的に違うので半々にせざる得ない。当初、私は日程の半分をキューバに充て、妻はユカタン半島に絞り、メキシコシティは1日のみの予定だったが、キューバ行のチケットが思いのほか高く、またフライトスケジュールも微妙な時間だったので諦めざる得なくなった。意気消沈した私はこの旅の要望分はすべて妻に返上し、その代わり、いつの日か再びインド・ミャンマー国境が再開した際は、無条件に白骨街道に付き合うこととバーターした。ということから、今回のメキシコ旅はすべて妻が決めた行先に付き合う羽目になった。
行先は教会とか博物館とか世界遺産とか、とにかく盛り沢山なので、これが大変忙しい。「記憶に残らない思うところは、行かなくてもいんじゃない…」と言っても「省いてこれだから…」と返ってくる。旅なんて突き詰めれば、目的地に着けば、もうどこにも行かなくても良いのではないかと思う。そうすれば時間はいくらでもあるし、朝もゆっくり寝てられる。だから疲れることもない。そんな中で、「ここくらい行っておくか…」と、いうくらいがちょうどいいのではないかと。もちろん考え方は人それぞれだし、ここだけは外せないというのはあるだろうけれど…。
「One day,One things」とはよく言ったもの。
これは期間の長短に限らず言えるんじゃないかと思う。まぁ、家族旅行なので致し方ないが、おかげでメキシコシティの見どころをたくさん見れたけれど…。
27年前のメキシコは未だ節約すれば1日1,000円程度で旅ができた国だった。当時、記していた日記には「タイより少し高い程度、マレーシア並み…」と書いてある。国民食のタコスは米ドルで50セント(当時のレートで65~75円)だったのが、今や(200~300円)以上する。公共交通機関は据え置いているようだけど、水もコーラもお菓子も、基本、座って食べる外食は総じて日本よりずっと高い。メキシコのような国でさえ今の日本から行くと、何もかも高く感じる。逆に言えば、これは日本が安すぎるということでもある。もちろん円安もその一因だが、それ以前に健全に経済成長してこなかったからというのが、そもそもあるんだろうなと…。今や精一杯、節約しても3000円以上はかかるかも。もちろん普通に旅をすれば1万円は軽く飛んでいく国である。
宿は市内の中心地に近いところにして、夜も外出しやすいところに取った。ドミも併設するホステルのようなところで、さすがに3人部屋でトイレシャワーの付いた部屋だったけれど。客は西洋人ばかりで東洋人は皆無。メキシコは人気がないのか、主な見どころでも、中国、韓国人も本当に少なかった。もちろん日本にもほとんど会っていない。そしてメキシコシティと言えば、何はともあれティオティワカン(ピラミッド)である。シティからバスで1時間ちょっとのところにある階段状のそれだ。ここには昔も来ている。残念だったのが、昨年観光客が転落して亡くなり、それ以降、登れなくなっていた。それ以外にも、様々な規制が敷かれていて、昔のように無防備な感じではなくなっていて、時代の変化を感じた。
メキシコシティの中心地は言われるほど治安は悪くないが、通り1本外れるとガラリと雰囲気が変わるところもある。知らないうちに入り込んで、「あれっ!」と気が付くことが2~3度あったし、夜ウーバーで宿に帰る途中、ここはさすがにヤバいな、という通りもあった。中南米は銃も出回っているから、そんなところも気が抜けない。標高2240メートルの高地にあるメキシコシティ、空気が薄いせいかちょっと疲れやすい気がする。朝晩は冷えるし、寒暖の差が激しかった。
ちょっと疲れを残したまま、ユカタン半島へ飛んだ。
つづく…。
ひと昔前は、JALの成田発ロス経由のサンパウロ便などの長距離便があったが、今はANAの成田発メキシコシティ行きが日系国際線の最長距離便になっている。行きは追い風に乗って12時間半、帰りは向かい風になり14時間半はやっぱり長かった。
時差がマイナス15時間あり、成田を夕方経っても到着は同じ日の午後2時半。治安の面であまり評判の良くないメキシコシティに明るいうちに着けるのはありがたかった。ありがたついでに市内までは地下鉄を利用する。メキシコの地下鉄はどこまで行っても一律5ペソ(45円)と激安。ただしスリも多ようで、被害の実例もたくさん語られているせいか、短期旅行者は避ける人が多いらしい。けれどこういうのは、一度利用すると案外慣れるのもなので、妻には何も言わず「地下鉄は渋滞もないし便利で早いから…」と言って、あえてタクシーは使わなかった。これが功を奏したようで、その後も市内の移動は、ほぼほぼ地下鉄で済ませた。メキシコシティはウーバーも使える。一度夜になってからの移動で使ってみたが、それほど高くないし、たしかに深夜は早朝はこっちのほうが安全だなと思った。
旅先での旅程はいつも妻と折半する。旅の趣向がもう絶望的に違うので半々にせざる得ない。当初、私は日程の半分をキューバに充て、妻はユカタン半島に絞り、メキシコシティは1日のみの予定だったが、キューバ行のチケットが思いのほか高く、またフライトスケジュールも微妙な時間だったので諦めざる得なくなった。意気消沈した私はこの旅の要望分はすべて妻に返上し、その代わり、いつの日か再びインド・ミャンマー国境が再開した際は、無条件に白骨街道に付き合うこととバーターした。ということから、今回のメキシコ旅はすべて妻が決めた行先に付き合う羽目になった。
行先は教会とか博物館とか世界遺産とか、とにかく盛り沢山なので、これが大変忙しい。「記憶に残らない思うところは、行かなくてもいんじゃない…」と言っても「省いてこれだから…」と返ってくる。旅なんて突き詰めれば、目的地に着けば、もうどこにも行かなくても良いのではないかと思う。そうすれば時間はいくらでもあるし、朝もゆっくり寝てられる。だから疲れることもない。そんな中で、「ここくらい行っておくか…」と、いうくらいがちょうどいいのではないかと。もちろん考え方は人それぞれだし、ここだけは外せないというのはあるだろうけれど…。
「One day,One things」とはよく言ったもの。
これは期間の長短に限らず言えるんじゃないかと思う。まぁ、家族旅行なので致し方ないが、おかげでメキシコシティの見どころをたくさん見れたけれど…。
27年前のメキシコは未だ節約すれば1日1,000円程度で旅ができた国だった。当時、記していた日記には「タイより少し高い程度、マレーシア並み…」と書いてある。国民食のタコスは米ドルで50セント(当時のレートで65~75円)だったのが、今や(200~300円)以上する。公共交通機関は据え置いているようだけど、水もコーラもお菓子も、基本、座って食べる外食は総じて日本よりずっと高い。メキシコのような国でさえ今の日本から行くと、何もかも高く感じる。逆に言えば、これは日本が安すぎるということでもある。もちろん円安もその一因だが、それ以前に健全に経済成長してこなかったからというのが、そもそもあるんだろうなと…。今や精一杯、節約しても3000円以上はかかるかも。もちろん普通に旅をすれば1万円は軽く飛んでいく国である。
宿は市内の中心地に近いところにして、夜も外出しやすいところに取った。ドミも併設するホステルのようなところで、さすがに3人部屋でトイレシャワーの付いた部屋だったけれど。客は西洋人ばかりで東洋人は皆無。メキシコは人気がないのか、主な見どころでも、中国、韓国人も本当に少なかった。もちろん日本にもほとんど会っていない。そしてメキシコシティと言えば、何はともあれティオティワカン(ピラミッド)である。シティからバスで1時間ちょっとのところにある階段状のそれだ。ここには昔も来ている。残念だったのが、昨年観光客が転落して亡くなり、それ以降、登れなくなっていた。それ以外にも、様々な規制が敷かれていて、昔のように無防備な感じではなくなっていて、時代の変化を感じた。
メキシコシティの中心地は言われるほど治安は悪くないが、通り1本外れるとガラリと雰囲気が変わるところもある。知らないうちに入り込んで、「あれっ!」と気が付くことが2~3度あったし、夜ウーバーで宿に帰る途中、ここはさすがにヤバいな、という通りもあった。中南米は銃も出回っているから、そんなところも気が抜けない。標高2240メートルの高地にあるメキシコシティ、空気が薄いせいかちょっと疲れやすい気がする。朝晩は冷えるし、寒暖の差が激しかった。
ちょっと疲れを残したまま、ユカタン半島へ飛んだ。
つづく…。