快気分析

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巨大地震や大津波 - 地震予測と評価の様々 その2

2015-09-14 22:54:47 | 地震 津波
 先ほど載せた当ブログ記事では、MEGA地震予測に同感できる点、反対とは言わないが足りない点、などについて自論を展開しましたが、その後どうも何か引っ掛かる事があったので暫く考えました。
 まず、「地殻の普通ではない変位は中規模以上の地震に繋がるのは例外はあっても確率的には普通よりは高い」と言う理論は同感。
 そして「今回の東京湾震源の地震はマグニチュードは大した事は無かったが最大震度は5弱だった」と言う点で、一応当たりでした。
 しかし「変位データはノイズが大きく、短期データは特にアテにはならない」と言うのもどうやら事実のようです。
 それで、そのノイズの原因は最大のものは水蒸気、そして次に大きいのは地下の水分と言う事らしいようです。(前回のブログ記事参照)

 そこでもう少し村井名誉教授の発信内容を見るとこうありました。

引用開始(一部抜粋)

http://thepage.jp/detail/20150912-00000003-wordleaf?page=3

経験則として、長い静謐後に異常が見られたら近いうちに大地震が起きる可能性が高いと考えられる」とのことです。

引用終了


 これらの事から個人的に理論構築すると、つまりこのようになります。

 これまでの当ブログ記事にある通説通り、地殻の変位データでノイズが大きいと言うのは、大気中の水蒸気や水滴が多いと言う事なのだから、それは太陽CME等、宇宙からの影響が少ない期間である事を意味する。
 それが長引くほど、それだけ地殻のストレスはプレートの動きなどによって貯め込まれて発散されない。
 しかしその後、晴天とかになり、大気中の水蒸気や水滴が少なくなった時に、宇宙からの刺激、影響が大きくなり、それまで貯めこまれていた地殻の歪、ストレスが発散されりトリガーになる。
 もう一つは地殻に水分が増えると、特に浅い震源の場合は地殻の境界部で水分により滑りやすくなるので、それもまたストレスが長い期間貯めこまれていた場合程、大きめの地震になりやすい。
 これが村井名誉教授の言う 「経験則として、長い静謐後に異常が見られたら近いうちに大地震が起きる可能性が高いと考えられる」 だと考えられます。
 つまり、実は「低気圧や台風が去った後に地震が起きやすい、雨天や曇天の後には地震が起きやすい傾向がある」と言う説に同じなのだと思います。
 ではそれが全てか?と言うと、確かにノイズが無いときで、地殻の変位に異常が見られる時は、たとえ100%でなく、それ程確率は高くなくても、やはり大きめの地震は起きやすい、と言う「有意な差」はあるかもしれないので、村井名誉教授の「思い込み」とも決めつけられない。
 だから村井名誉教授の唱える説は「間接的には有意な差はあるが、理論的には直結する因果関係ではない。また直接的にはもし正確な変位データであれば有意な差はあるかもしれないがまだ未知数。」と言う所ではないでしょうか。

 ところで今回の9/12 東京湾震源の地震は、確かに台風や雨天曇天の後の天気回復時だったのですが、太陽のCMEに特に目立ったものは無かったようです。
 そうすると宇宙からの影響は何だったのでしょうか?
 宇宙線説はまだはっきりわかっていません。
 他に影響するものもこれから調べていくしかありません。

巨大地震や大津波 - 地震予測と評価の様々

2015-09-14 20:04:56 | 地震 津波
 前回の記事で村井名誉教授の「MEGA地震予測」について、書いて見ましたが、 「MEGA地震予測」については多種な評価があるようです。

引用開始(一部抜粋)
http://thepage.jp/detail/20150912-00000003-wordleaf

 このMEGA地震予測をどう見ればいいのか。地震学者の島村英紀・武蔵野学院大学特任教授に寄稿してもらいました。

誤差やノイズが多いGPSデータ

 国土地理院がこのGPSを使った測定でもくろんだものは地殻変動の監視でした。時々刻々、その測量点の位置が正確にわかるということは地震予知のために役立つのではないか、というのが目的でした。

 しかし、実際にやってみるといろいろ難しいことが分かってきました。最大の問題は、「誤差やノイズ(観測データの雑音)」でした。測定そのものは精度よくできても、その測定に誤差やノイズがあったら、精密な測定の意味がありません。

 最大の誤差は、空気中の水蒸気量によるものです。この水蒸気量によって電波が伝わる速さが変わり、測定結果が変動してしまうのです。空気中の水蒸気量はしょっちゅう変動します。しかしこれは大気全部の湿度の積分値ですから精密に知ることはできません。このため測定した結果には補正できないノイズが乗ってしまうのです。

 また、本来は地下にある基盤岩のなかの歪みを測ることが目的のはずなのですが、GPS受信器が置いてあるのは地表です。このため基盤岩の上に、首都圏など厚いところでは数キロメートルもの柔らかい堆積層があり、その上で測っていることになります。

 そしてこの堆積層のなかの地下水の影響が厄介なのです。地下水の動きや岩の間にある地下水の増減によってGPSデータが変化してしまいます。地下水は水や温泉の人工的な汲み上げがずいぶん遠くまで影響することもあり、雨が降っても気圧が上下しても変化してしまうものなのです。

 もちろん雨の量や気圧は測られていますから、原理としては補正ができないわけではありません。しかし困ったことに、雨はすぐに地下水に影響するだけではなくて、降ってからしばらくたってから、ときには何日もたってから影響することもあるのです。
「地震の前兆」ほとんどがノイズ?

 ところでMEGA地震予測は、この他人のデータであるGPS測定の結果を、その制約もノイズも知らないで使っているようです。彼らが来るべき地震の前兆として主張しているGPS測定の結果は、ほぼ全部がノイズだといって間違いではありません。

引用終了


 と言う説のようです。
 「測量工学の世界的権威」といわれる方が、誤差によるノイズを補正していないデータで論じているかどうかは、測量に関しては素人の私ごときは考えていませんでした。
 実際にどの程度の誤差なのか?私にはよくわかりません。
 データが数ヶ月とか数年とか、或いは数十年以上とかのものであれば誤差の要因となる条件は同じではないはずですから、有る程度の補正はできるのかも知れません。
 しかし数日~十日程度の短期データでは有効な補正はもしかしたら無理かも知れません。
 変位データが正しければ、そのデータから地震発生を予測する、と言う全体の考え方は、全てが無意味と言うわけではない、とは思います。
 ただ以前の当ブログ記事で書きましたように、変位データでは地震発生が予測されない地域や時期でも地震は起こりうる、とは以前から考えています。
 変位の要因となる地殻の圧力があっても、異なる複数の場所からの圧力が相殺し合えば変位はほぼ無いように見えても実はかなり地殻のは力がかかっているケース、については以前にも書きましたが、もう一つは例えば数百年の期間では既に数メートル変位が生じているにも拘わらず、ここ数年では僅かしか変位がない、とか言う場合は、実態がわからないと言う場合もあると見ています。
 また仮に正確な変位データで大きく変位や異常が発生していたとしても、それは「地殻にどれだけ歪がかかっているか」と言う指標の一部に過ぎず、「その歪の力に耐え切れず固着が外れる限界に来ているかどうかには直結しない」、と言う点も忘れてはいけません。