映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

愛が生まれる時 シェイプオブウォーター

2018-03-03 19:35:06 | 新作映画

ブロークバックマウンテンを観た時に感じた切なさと愛する力に涙した。
異形の者と愛し合う世界をこんなにも美しく描かれたなら、人間の男と女の間に芽生える恋心なんて陳腐にしか映らないのじゃないか。






パンズラビリンスが描いた愛する者への気持ちを、より一層分かりやすく観せてくれたのがこの作品だと思う。パシフィックリムしか知らないと、居心地悪い映画だったろうなと痛み入る。それにしても、アカデミー賞受賞作だからな。なんか違和感は感じる。よくぞこれを選んだなぁという感慨と言っても良いけど。シンゴジラが立派な賞を沢山頂いたので、洋の東西同じか。

去年観たドリームに似た環境(時代も秘密裏に進められる国家的戦略も)は、あの黒人女優がどちらにも出てるからすんなり受け入れられた。人材の宝庫であるハリウッドでも適任となると数少ないのかもしれない。お陰で、あの施設で掃除婦として夜間働く事のマイノリティさが一層理解できる。
あの環境を理解できないと、異形の者への愛は始められないだろう。

主演女優を始め、演者がみんな素晴らしかった。半魚人も含めて。
デルトロは同世代だからよく分かるけど、大アマゾンの半魚人が大好きだと言ってた。
わたくしも子供の頃テレビで観たから同感だ。ヒロインが川面で泳ぐ姿を川底から見上げるシーンが忘れられない。モノクロの画面にキラキラ光る太陽とヒロインのコントラスト、半魚人が恋する気持ちがよく分かる。だからって、本当に恋愛する映画を作ろうとは思わないけど。そこが凡人と天才の違いか。