去年も子供向けに作られていながら結局号泣してしまった「若女将は小学生」のような意外性を期待して、10歳以下の子供達がターゲットと思わしきアニメを観る。
前評判通り泣けてしまう。自分の居場所を見つけることは簡単のようでそうでもない。ものを語らないすみっこ達の優しさと絵本の中から出ることのできなかったヒヨコの健気さに大人だからこそ涙する。
前評判通り泣けてしまう。自分の居場所を見つけることは簡単のようでそうでもない。ものを語らないすみっこ達の優しさと絵本の中から出ることのできなかったヒヨコの健気さに大人だからこそ涙する。
夏に観た「凪待ち」は血の繋がらない家族の形を描いていた。世界的な最近のトレンドなんだろうと思ったが、今回の作品はガッツリ日本の家族と血縁がテーマだ。
共通しているのは、大都会の話ではなくて地方都市(田舎というほど辺鄙じゃない)が舞台になっていることか。それがいかにも日本的なしがらみを映し出すのに効果的だということだ。白石監督良いところに目をつけてるなと感心する。
子供たちに暴力を振るう夫を激しい雨の夜に車でひき殺す母親を田中裕子が飄々と演じている。15年たったら帰ってくると言い残して、その通り15年後に現れた母親を成長した子供たちがどのように受け入れて行くかが物語の肝となる。
吃音障害のある長男を鈴木、小説家になると都会に出て風俗雑誌の雑文担当の次男を佐藤健、美容師の夢をあきらめきれず毎夜スナックの接客で泥酔している長女が松岡。わざわざ役者の名前を挙げたのは、この四人だけではなく登場人物それぞれのキャラクターが上手く描かれているのとそれに応える演技が優れているから。
特に感心したのは、松岡のありそうな長女像だ。エキセントリックな役や現実離れした役じゃなく、ごくありふれた若い女を説得力ある雰囲気で伝えている。もともと上手いけど、今のところベストな演技じゃないかな。主役の佐藤健を邪魔する事無く主役の座に座っているみたいに感じた。