映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

消えてゆく才能を惜しむ

2020-04-01 19:43:00 | 歳時記雑感
芸人、志村けんが亡くなった。享年70歳。残念な死だ。
昭和40年代に小学生だったわたくしにとって、ドリフターズはお笑いの頂点だった。
土曜日夜の「8時だよ!全員集合」を観ずして一週間の終わりはなかったし、学校でのギャクの応酬はすべてドリフのネタまねだった。当時は加藤茶の全盛期であり、荒井注の代わりに参加した志村けんの面白さが未だ開花する前だったから、志村けん=ドリフの公式とはずれている。それでも忘れがたいキャラクターの創造は稀有の才能として今後も消えることはない。芸人として最後まで現役でいられたことは幸せなことだった。

映画監督佐々部清が亡くなった。享年62歳。若すぎる死だ。
このところの10年は印象に残る作品がなかったが、結構観ている。
「半落ち」「出口のない海」「結婚しようよ」「三本木農業高校、馬術部」「ツレがうつになりまして」みんな水準以上の作品だ。初期作品「チルソクの夏」は故郷下関を舞台に実妹の体験をヒントにノスタルジックな佳作に仕上げ、脂がのってる頃に発表した「夕凪の街、桜の国」は年に一度は観たくなる反戦映画の傑作だ。
この二作だけでも忘れ難い監督だったと残念に思う。

お二方のご冥福をお祈りします。