コロナ騒動はテレビドラマにも影を落としている、楽しみにしていたいくつかの春ドラマがスタート出来ないままだ。
大本命の野木亜紀子オリジナル脚本「MIU404」、石原さとみ久しぶりの快作となるか「アンサングシンデレラ」、多部未華子が魅力的に描けるか「私の家政夫ナギサさん」。観ようと思っていた三本は延期となった。
悪い事ばかりでもなく、穴を埋めるように企画された過去の名作が再放送されたのはいい事だ。特に懐かしかったのは「野ブタ。をプロデュース」。もう観ることの出来そうもない堀北真希や女子高生の戸田恵梨香に会える。
そんな中でスタート切れた小品三作を観てみた。
「いいね 光源氏くん」
NHK夜ドラだから最近の流れで、結構ファンタスティックな絵空事を軽いタッチにして楽しませてくれる。あの光源氏が1000年の時を超えて現代にタイムスリップし、平凡なOLと同居するといった荒唐無稽な物語だけど、光くんを演じる千葉雄大なら時間を飛び越えてもアリな感じがする。ヒロインは同居するOL役の伊藤沙莉。今まで主要な脇で存在感を示していたけど、メインヒロインでもうまさは変わらない。頭中将も登場するらしいのでますます楽しみ。源氏好きのわたくしには有難い作品だ。
「行列の女神」
まるで観る気なかったけど、ドラマウォッチャーの評判良いし好調のテレ東深夜ドラマなので、配信で遡ってみた。便利な時代だ。鈴木京香のカリスマフードコーディネーター物語なら脱落するところだったけど、半年前にラーメンに目覚めた新入社員黒島結菜との掛け合いがとても良く出来ていて、見逃せない一推しになりそうな気配がする。
第一話の落とし所も、天性の感を持つ新入社員の美味いラーメンに落ち着かず、多角的なコーディネートで繁盛店にした社長鈴木京香に軍配をあげる所など、いちいち凝った仕掛けにあふれている。これからも美味いだけのラーメンを見せるのでは無く、お店とそこで働く店主たちも含めた裾野の広いドラマになることを願う。
「エール」
久しぶりに男性主人公の話だ。オーソドックスに少年時代から青年期へ繋がれた。少々異色なのはヒロインの話も頻繁に語られるところかな。面白味は断然奔放なヒロインの挿話なのも良いのか悪いのか。暫く様子見ってとこ。
浦安鉄筋家族は一話で脱落。ダメじゃないけど悪ふざけがあまり心地よく感じられなかった。