映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

ぽかぽかばかりじゃ無いけどさ ぼくのお日さま

2024-12-01 20:22:00 | 新作映画
ジャック&ベティ
この映画館は今でも開演前にはブザーが鳴るんだなと、そんな事思いながらスクリーンを見つめる
映画の日に映画館で映画観るのは久しぶりだな。Tジョイ系のビジネスでしか映画興行をとらえられない小屋は無視するとして、還暦過ぎた身となっては何処の映画館であれいつ観ても料金一緒だからファーストデイに映画観る習慣は無くなった。それでも40年以上前からあった映画の日に映画館へ行くのは何だか特別な気がする

テレビドラマ「海のはじまり」で初めて池松壮亮の演技力に脱帽したばかりなのに、この映画で再認識することになる
演技が上手くたって、一流のスケート選手を演じる事出来ないでしょ普通?なんだか演技してるようには見えない自然体なんだよな。生まれた時からスケート靴履いてたみたいに氷の上に立つ姿は、どんな修行積めばそうなるのか
不思議な役者だ

フィギュアスケートは日本人には馴染みのあるスポーツだから、滑っている姿に嘘は付けない。だからヒロインの女の子も、彼女に一目惚れする男の子もそれなりの素養はあってのキャスティングなんだろう
二人とも拙い演技ながら十代にしか表現できないナイーブな表情で精一杯魅せてくれた。二人きりで練習するリンクに外光がコントラストをつけるシーンは幻想的でさえあり印象に残る

多分、先生に淡い恋心を抱く女の子には同性愛は高いハードルだったし、屋外のリンクでお日さまに見せたあの笑顔は取り繕う事はできないと思う
だからあの決裂は仕方ない。先生も傷つきひっそりとさってゆく

ラスト、北海道の春の道で偶然出会う男の子と女の子。吃音の男の子は満面の笑みで語りかけようとするシーンで映画は暗転する
演出としてはありだけど、わたくしは彼が何を語るのか知りたかったし、彼女がどんな風に応えるかが知りたい

美しい作品だから、あのままが良いのかな

9月には見逃したので、ジャック&ベティで出会えたことに感謝



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