切ないな
わたくしも3人の子を持つ親だから、子供が突然無残な姿でこの世から消えてしまっては、その原因とかそうなるまでの足跡とかは納得いくまで調べたくもなるだろう
ましてや、その子の素顔を知らなかったことに気づけば、自責の念にかられて当たり前だ
わたくしも含めこの世で他人と関わり合いながら生きている人は、心の中に善悪を抱えているし裏表を無意識のうちに使い分けている
物語の中でも登場人物の誰しもが良い人であり、それでいて暗く陰湿な心を持っている
寺島しのぶのようなおばちゃんや松坂桃李のようなお兄ちゃんに会ったことがある人は多いだろう
どちらの顔が表に出るかで与える印象なんて正反対になる
でも、どちらも自分だしそれでいて何処かの誰かなんだ
プロデューサーの強い意志が感じられる作風だけど、辛うじて家族映画にもなっているところが、殺伐とした物語にほんの少しだけ慰めとなっている
マスコミ批判や人物設定に、ちょっとステレオタイプの描写が多くて白ける部分もあるけど、テレビドラマでは語れない問題提起がなされているのは流石だ
イルカの雲が父娘の空白を埋められたのなら、大切なものを失くした苦しみも多少癒えるだろうか