古本屋のくたびれた中年男に女子高生が恋をするだろうか?
以前、ファミレスの店長に恋する女の子のお話の時にも同じような疑問を持った
ファミレスの物語はマンガが原作だったので、些かファンタジー色が強く現実的だとは思えなかったけど、今ノッテル城定×今泉二人の作家が作り出したお話はそれなりにリアリティというか生々しさもある
過去の片想いを引き吊りながら古本の山に隠れるような生き方をしている古本屋の店主に、女子高生は真っ直ぐな気持ちを毎回ぶつけてくる。あんなに何度もアタックされたならちょっとクラッとしちゃうかな。そもそも同じ動物だとは思えないから女子高生の本心なんて想像もつかないけど、そのくらい不可思議なものが人の心なんだろう
古本屋店主が片想いを継続している人妻(になろうとしている)がSEXの喜びに目覚めてゆくところはエロいけど、これまたオッサンのわたくしには良くわからない。ただ、その肌合わせの相手となった店主の気持ちは良くわかる。そこに愛がないことを今更子供の様に拗ねたりできないから一層辛いだろうな。それでもしちゃうんだ・・・しちゃうよな
単に女はズルイとか描いていないのも物語を深く複雑にしている
結婚式場のウェディングプランナーと関係を持っている夫(になろうとしている)もゲスの極みだ。こんな風に見え見えの浮気を言い訳されて納得する女はいないだろうと思うんだけど、これまた人それぞれなんだろうか。不倫相手の女に「下手ですよね」とベットの上で言い放たれる様は、同性として笑っていいのか悲しんでいいのかわからないけど面白いシーンだった
ともあれ、店主は女子高生の想いに真摯に向き合うことでモヤモヤしていた自分の気持ちを振り切ることができたし、女の子の両親に自宅まで踏み込まれ罵倒されながら抵抗する場面は、この作品のハイライトでもありスキッとさせられた
女子高生役の河合優実は覚えておこう