夏ドラマが充実していたからか、今年の秋ドラマにはときめかない。
唯一楽しみにしているのが、野木亜紀子脚本=新垣結衣主演「獣になれない私たち」野木亜紀子のオリジナル恋愛ドラマなので、「逃げ恥」とどれほど違ったラブストーリーを描くのか興味津々。脇を固める役者も渋く豪華だから演出をミスらない限り面白いドラマになりそうだ。オリジナル脚本の出来を心配されてた「アンナチュラル」が今年最高位の評価だったから、ラブストーリーもいけるとなれば野木脚本の相場はより急上昇するだろうし、各局争奪になりそうだ。近い将来朝ドラなんかにも挑戦してもらいたいから、安請け合いの薄い作品を量産することの無い様希望するけど。
ガッキーも満を持しての登場の感がある。「逃げ恥」の大当たりから、NHK単発と映画「ミックス」シリーズの「コードブルーⅢ」とその映画版と定期的に露出しているけど、彼女はやっぱり連続ドラマでこそ輝ける女優なのだろう。(今まで観た彼女の映画で傑作だと思ったものは無い)
もう30歳だから滲み出る色気とかも出さなきゃならないのかもしれないが、以前書いたことがあるけど吉永小百合とガッキーは永遠に表だけの可愛い役を演じつつければいいと思う。今回のドラマの役どころでもそれを期待している。
さて、初回の感想。
TV局も脚本も演出も少し力入り過ぎかな。終盤になるに従い味が出てきたので今後に期待したい。ちょっと今のところどんな色になっていくのか見当もつかないけど、お気楽なラブコメじゃなさそうだ。ガッキーがそれをどう演じ視聴者を虜にしてくれるのかも見所かもしれない。
NHK金曜10時ドラマなんて今まで観たこと無かったけれど、夏シーズンに放映された「透明なゆりかご」が傑作だったので、秋シーズンも続けて観てみようと思う。
「昭和元禄落語心中」というタイトルからして普段なら絶対触手が動かないけど、落語家を主人公にしたミステリのようでもあるしNHKだから手を抜いた創りはしないだろうから取りあえず録画してみよう。初回を観てつまらなければ止めてしまえば良いのだし。
初回観て、もう終わろうと思う。岡田将生は好きな俳優だけど、手練れの落語家を演じるには若すぎるし未熟過ぎた。主人公に違和感を感じてしまうドラマが楽しめるわけない。
同じ日同じ時間にスタートするドラマをもう一本。戸田恵梨香主演の「大恋愛~僕を忘れる君と」。これまた不安だらけだ。戸田恵梨香があんまり好きじゃない。映画「駆け出し男と」は彼女無くては成功しなかった映画だけど、なんとなく鶏がらを想像させる見てくれが今ひとつ。アルツハイマーを発症した女医の役で、10年にわたる大恋愛を続けるのがムロツヨシらしい。二人とも上手だけど、恋愛ドラマで大切なのはその二人に感情を投影できるか否かなので、主人公に恋心を抱けないとつまらない悲恋物で終わりそうだ。脚本の大石静も好きになった作品が思い出せない。そもそも大石脚本だから観たいと思うような気持ちになったことが無い。
これはオーソドックスで、応援したくなるドラマになりそうだと感じた。
戸田恵梨香の痩せ過ぎが気になるけど、エキセントリックないつもの雰囲気が消されていて好きになれそうだ。若年性アルツハイマーって、他人事じゃないから観ていてシンドイかもしれないけど、骨太なラブストーリーにしてくれたら嬉しい。
厳密には秋ドラマではないけど、NHKの朝ドラが始まった。
前作「半分、青い」の朝ドラらしからぬドラマに批判的だった人には安心して毎朝楽しめることだろう。日清食品の創業者を支えた奥さんをモデルにしているらしいので、紆余曲折ありながらも結末がどのようになるかが透けて見える。わたくしのように先行きも知らず楽しみたい視聴者には些か興味半減でもある。「マッサン」も同じような話だったけど、ヒロインが初の外国人女優だったのが目新しく半年付き合えたが、今度はどうだろうか?よっぽど魅力的な話じゃないとリタイアしてしまうかもしれない。
そもそも、ヒロインの安藤サクラが嫌い。女優としては素晴らしいと思っている(万引き家族は彼女無しに成立しなかった)けど、朝ドラのヒロインじゃないよな。永野芽郁だったから許された傍若無人なヒロインも、安藤サクラのあの顔でやられたら次の日から見るのやめちゃうかもしれない。オーソドックスな朝ドラが観たくないわけではないから、面白ければそれで良し。
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