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映画と渓流釣り

コーダ 大切な家族の物語

新年初の映画はこれにすべきだった

原作「エール」あってのリメイクだけど、個人的にはこちらの作品の方が好きだ

少女の夢、家族の現実、瑞々しい恋
かなりアメリカの綺麗ごとのようだけど、それでも映画だから観ている人の気持ちを動かしてくれれば成功だ

聾啞者家族の中で自分一人が健常者として生きるってどういう事だろう?想像するより我々が気付かない苦労も多いのだろう。皮肉の様に唯一耳の聞こえる少女は歌が好きで、歌うことにより誰かの気持ちを幸せにしてくれる才を持っている。その才能を一番理解し喜んでもらいたい家族は彼女の歌声を聴くことができない。歌を歌いたいと願う少女の儚い夢は、本来一番応援して欲しい家族に伝えようがないのだ

海の漁で生計を立てている家族も生きることで精いっぱいだから、少女の夢に寄り添う余裕はない。陽気な父親も心配性の母親も妹思いの兄でさえ、健聴者として一緒に船に乗ってくれる少女を労働者(生計を助ける一員)として頼りにしているけど、音楽大学へ進学しようと夢見る少女に懐疑的だ。彼女の歌声に耳を傾けてくれたのは音楽の教師と音大目指す男の子と親友の三人。あきらめなければ夢は叶うというアメリカンドリームに些か鼻白むけど、少女の歌声はそんな棘を抜き去ってくれるようで気持ちいい

とっておきの秘密の場所で泳ぐ少女と男の子のキラキラするような姿は瑞々しい美しさに溢れている。なんか、誠実な恋だなと久しぶりにキュンとしてしまった

物語は進み、入学試験のステージを観る家族に向かって手話で語るように歌うシーンも良かったけど、父親が娘に「自分のためだけ歌ってくれ」と言い、歌う娘の喉に手を当てるシーンには思い切り泣かされた。手に伝わるだろう娘の歌声が父親にとって無上の喜びであることは言うまでもない






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