金曜日の初日9時からの上映なのに結構大きな小屋が七割方埋まった
この傑作テレビドラマシリーズのブランド力を否が応でも感じさせる
皆んなコトー先生に逢いたかったんだな
20年近い歳月の流れは、一応に島民を老齢化させてはいるけれど、一番年老いたなと感じさせたのは主人公のコトー先生だった。一人で島の医療を人々の命を守ってきた苦労と重圧は彼をこれほどまでに疲弊させたのか。島に来た研修医が言う、コトー先生に島の皆んなは甘え過ぎているんじゃないか。確かにその指摘は的を得ている
自らの病気をも庇いながらそんなにまでして尽くす必要が何処にあるんだろう
こんな医者に出逢える人生はきっと僥倖だろうなと思うけど、もっと自分と自分をいちばん愛する大切な人のために生きた方が人間らしいんじゃないかな
物語の中でコトー先生から教えてもらったのはそんな事
そして、映画作品として教えてもらったのは、やっぱりフジテレビは映画を作るべきではないと言うことだ
あの優しさ溢れる物語を安っぽいドラマにしてしまった。これでもかの感動押し付けがどれほどウンザリさせられるのかをなんで理解できないのだろう。視聴者はそんなにバカじゃない。作為的なお涙頂戴を喜んでいる場合じゃないこの世の中で、現実は綺麗事の嘘を陳腐化させているのだから
寅さんが終わり、北の国からも終わってしまった吉岡秀隆にとって、コトー先生はこれからも演じてほしい役だったけど、こんなに酷い映画にするならもう観たくないな
コトー先生はそんな事も教えてくれた
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