映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

そんな初恋もある

2020-03-08 07:44:00 | 新作映画
久し振りの三池崇史。
基本的にヤクザとかバイオレンス満載とか好んで観るわけじゃないから自然と避けてしまうし、出来不出来に波がある監督なのもご無沙汰の要因。
わたくしのように「十三人の刺客」と「悪の教典」くらいしか好きな作品がない者は置いといても、三池監督ファンからすれば久しぶりに胸のすくような思いができる出会いだったと思う。
単なる暴力的なアクション映画におさまらず、主人公のボクサーが他人のために生きてゆく姿を見せてゆくところなどは、立派な青春映画になっていた。
ずっと終盤まで、何故題名が「初恋」なのか腑に落ちない気がしたものの、ラストシーン遠景でとらえた二人が小さなアパートへ帰るショットに納得した。
守るべき者がいて生きる意味を見出し、守られていることを感じ生きるための意味を知る。二人の小さな出発をオジサンは応援する。

窪田正孝を俳優として意識したのはTVドラマ「アンナチュラル」くらいだけど、細身の身体にしっかり筋肉がついていてボクサー役が嘘臭くない。爬虫類系の顔立ちだから冷めた演技も似合っている。春からの朝ドラ主演がどのように評価されるか楽しみだ。
ヒロインの小西桜子も一生懸命さが伝わった。脇を固めた役者は安定的なパフォーマンス。大森南朋、染谷将太、滝藤賢一、塩見三省、ベンガル、皆当て書きのようにぴったりだ。内野聖陽は間違いなく楽しんでいる。振り切れた怪演を観せてくれたベッキーは、ゲス不倫以降演技者として成長している。

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