眠りが浅いため真夜中に何度も目を覚ます。
夢のような40年前の記憶。
今までの人生で、刑事の聞き込みを受けたのは2回。
一度は娘が一歳の誕生日を迎えるころに行方不明になった近所の女の子についてだった。今も彼女は見つかっていない。
もう一度が、40年近く前に済んでいたアパートでのことだ。隣に住んでいた人の行動確認をしていると言ってた。後から知ったが、隣人は同じ大学に通う左翼系思想サークルに属していたらしい。何度か挨拶したけど、おとなしく温厚そうな人だった。名前も独特だったから今でも覚えている。あれが所謂公安警察の内偵だったんだと合点した。
前後して記憶している不思議なこと。
アパートのお向かいに大家の住まいがあり、これも今思えば出戻り娘だったんだろうか、三十路前後の女性がいた。家賃を納めにいったら、話があるから家に上がるよう促されそのままお茶を飲みながら言われたのが奇妙な話だった。
真夜中にあなた宛に電話があると言う。それも女の人。全く心当たりがないと答えると、親族以外は取り次がないけど、訳ありならこっそり取り次ぐとまで言う。いつも遅い時間まで起きているから問題ないと言う。何か気持ち悪い話なので、無視してくださいと言ったきりになったけど、あれは何だったんだろう。本当に真夜中の電話があったとしても、出戻り娘の作り話だとしても、今もって怖い記憶だ。
真夜中に目が冴えて記憶の断片を紡ぐ。
夢のような40年前の記憶。
今までの人生で、刑事の聞き込みを受けたのは2回。
一度は娘が一歳の誕生日を迎えるころに行方不明になった近所の女の子についてだった。今も彼女は見つかっていない。
もう一度が、40年近く前に済んでいたアパートでのことだ。隣に住んでいた人の行動確認をしていると言ってた。後から知ったが、隣人は同じ大学に通う左翼系思想サークルに属していたらしい。何度か挨拶したけど、おとなしく温厚そうな人だった。名前も独特だったから今でも覚えている。あれが所謂公安警察の内偵だったんだと合点した。
前後して記憶している不思議なこと。
アパートのお向かいに大家の住まいがあり、これも今思えば出戻り娘だったんだろうか、三十路前後の女性がいた。家賃を納めにいったら、話があるから家に上がるよう促されそのままお茶を飲みながら言われたのが奇妙な話だった。
真夜中にあなた宛に電話があると言う。それも女の人。全く心当たりがないと答えると、親族以外は取り次がないけど、訳ありならこっそり取り次ぐとまで言う。いつも遅い時間まで起きているから問題ないと言う。何か気持ち悪い話なので、無視してくださいと言ったきりになったけど、あれは何だったんだろう。本当に真夜中の電話があったとしても、出戻り娘の作り話だとしても、今もって怖い記憶だ。
真夜中に目が冴えて記憶の断片を紡ぐ。
過去3回映画化されたらしい。その内、ジュディ・ガーランドとバーブラ・ストライサンド主演の二作品は観ている。随分前になるから覚えていないけど、その程度だからあまり歓心を得たわけではないだろう。アメリカ映画はこの手のショウビズ界を舞台にした作品に秀作が多い。観ているほうからすれば、栄光と挫折は分かりやすい光と影だから小難しい講釈なくとも感情移入できるし、作っているほうはそれこそ自分の職場を描くので何よりも身近な題材だ。
チャップリンの「ライムライト」も脚光を浴びてゆくダンサーと落ちぶれた喜劇役者の話だった。
この「スター誕生」こそ、徐々に光を浴びて輝きだす女と見出した大御所が落ちぶれて影になってゆく様が描かれる。今回も物語はおおよそ過去の作品と変わってはいない。だから、新しいドラマを観た感慨は無い。
それでもやっぱり感涙してしまうのは、オーソドックスだけど人の心を揺さぶる哀しみが根底にあるからだろう。
オリジナル(1937年版)は観ていないけど、2018年版のこの作品が一番好きな作品だ。
成功の理由は、ステージを中心に活躍するポップミュージックが題材だったから、主演のレディ・ガガには願ってもない設定だったこと。監督も兼任したブラッドリー・クーパーがプロ歌手と遜色ないプレイを見せてくれたこと。脚本も演出も光の部分に偏重する事無く、影にも寄り添うように按配されていたこと等があげられる。骨格は再三申し上げているように鉄板だから、よっぽど間違わない限り失敗の仕様がない
。
それ程レディ・ガガに興味があるわけではないので正直ちゃんと語れないけど、奇抜で奔放なイメージしかなく、ネガティブで心優しい女性を演じられるとは思わなかった。そういう役作りなのか、身体の線もブヨブヨしていて世界的な歌姫の現実とはかけ離れて見える。バストトップも厭わずさらけ出しているところなぞ、日本の有名歌手で同じことができるエンターテナーはいないだろうなと感心もした。ラスト亡き夫へのレクイエム歌唱は、彼女の才能なくてはあり得ない名シーンだった。
チャップリンの「ライムライト」も脚光を浴びてゆくダンサーと落ちぶれた喜劇役者の話だった。
この「スター誕生」こそ、徐々に光を浴びて輝きだす女と見出した大御所が落ちぶれて影になってゆく様が描かれる。今回も物語はおおよそ過去の作品と変わってはいない。だから、新しいドラマを観た感慨は無い。
それでもやっぱり感涙してしまうのは、オーソドックスだけど人の心を揺さぶる哀しみが根底にあるからだろう。
オリジナル(1937年版)は観ていないけど、2018年版のこの作品が一番好きな作品だ。
成功の理由は、ステージを中心に活躍するポップミュージックが題材だったから、主演のレディ・ガガには願ってもない設定だったこと。監督も兼任したブラッドリー・クーパーがプロ歌手と遜色ないプレイを見せてくれたこと。脚本も演出も光の部分に偏重する事無く、影にも寄り添うように按配されていたこと等があげられる。骨格は再三申し上げているように鉄板だから、よっぽど間違わない限り失敗の仕様がない
。
それ程レディ・ガガに興味があるわけではないので正直ちゃんと語れないけど、奇抜で奔放なイメージしかなく、ネガティブで心優しい女性を演じられるとは思わなかった。そういう役作りなのか、身体の線もブヨブヨしていて世界的な歌姫の現実とはかけ離れて見える。バストトップも厭わずさらけ出しているところなぞ、日本の有名歌手で同じことができるエンターテナーはいないだろうなと感心もした。ラスト亡き夫へのレクイエム歌唱は、彼女の才能なくてはあり得ない名シーンだった。