気がつけば今年も半分が終わり、この七月でわたくし58になりました。
いつもの年よりハイペースで映画を観ているので、備忘録としてこの半年を振り返っておきましょう。
光源氏と頭中将のようにはいきませんが、今宵(もう朝になってしまいましたが)は採点表もお付けしてみました。
★20点 ☆10点 の100点満点です。
1/20 夜明け ★★☆
是枝・西川監督の愛弟子にしては人間観察がお粗末だった。
柳楽優弥も雰囲気は伝わるけど、あの脚本では無理があった。
夜明けが来ないまま薄闇に取り残されたような映画。
1/20 マスカレードホテル ★★★★
東野圭吾原作もそれほど面白くは無かったのに、映画は頑張った。
グランドホテル形式のドラマは2時間で観せる映画にはぴったりだ。
木村拓也と長澤まさみの相性も良かったと思う。
3/8 グリーンブック ★★★★☆
今年度のアカデミー作品賞だからそれなりの品質の仕上がり。
最近のアカデミー批判を受けて黒人と白人の友情に的を絞ったのが成功の要因。
但し、これは本当のアメリカの暗部を描けたわけではない。
3/10 ROMA ★★★★★
アルフォンソ・キュアロンの凄さをはじめて知った。
俳優たちも全く知らない人ばかりだけど、完全にこの映画に引き込まれてしまう。
優れた作品は作られ方がどうであれ、大きなスクリーンで上映して欲しい。
3/16 君は月夜に光り輝く ★★★☆
永野芽郁を堪能するための映画で、彼女が好きか否かだけの映画だ。
アイドル映画で充分なんだけど、「君の膵臓・・・」を意識しすぎたかな。
芽郁ちゃんは最後まで明るく笑った顔でエンディングを迎える映画に出て欲しいな。
3/23 まく子 ★★★
生まれ故郷がロケ地になっているから観ただけで、何の期待もなかった。
故郷はほぼ全編にわたって美しく描写されていたので満足。
もう一つ心躍るような作品になってくれたならとちょっぴり残念。
5/1 キングダム ★★★★
スピード感もあるし、物語も王道の漫画ストーリーなので楽しめた。
長澤まさみの艶っぽいコスプレも良かったし、男優陣もみんな頑張っていた。
油の乗っていた頃の深作監督が撮ったら面白いアクション映画になったかしら。
5/25 空母いぶき ★★★☆
戦後日本のあり方を考えさせるには必要な企画だったと思う。
リアリティが欠けてしまうのは架空の国や地域での戦闘でしか描けなかった事。
今の日本の専守防衛という考え方が未来永劫続くことを願う。
6/1 ゴジラ キングオブモンスター ★★★☆
ゴジラは勿論、ラドン、モスラ、キングギドラまで日本が生んだ傑作怪獣たち。
それだけでも充分楽しませてくれたのに、渡辺謙の「さらば、友よ」には参った。
次回作が待ち遠しいシリーズになった。
6/1 さよならくちびる ★★★★★
上半期一番の拾い物だったと思う。期待をはるかに超えたロードムービーだった。
門脇麦と小松菜奈のデュオはきっと日本中に沢山いる内の一角なんだろうな。
あいみょんの提供曲も二人の世界にとても合っていた。
6/8 町田くんの世界 ★★★
こちらは期待を大きく裏切られた感じの残念な作品だった。
監督の無機質で乾いた笑いのセンスが好きだったけど、ファンタジーじゃない。
脇を演じる若手俳優達に将来を感じることが出来たのは良かった。
6/9 長いお別れ ★★★★★
今回の中野監督が描く家族も小さいけど好きだなぁ。
痴呆老人の介護を社会的な視点から取り上げてしまうと胡散臭くなるしね。
あまり鬱々とした話は観たくないし。いい按配だと思う。
6/29 凪待ち ★★★★★
こちらも家族の話だけど、血縁のない他人同士が結びつこうとする話。
ギャンブル依存症の男が震災の傷癒えぬ東北の町で再生出来るのか。
日本映画の得意とする半径の小さな世界が描かれた。
これからも楽しみな映画がやってきます。
新海誠の名前で客が呼べる「天気の子」、このとろ駄作ばかりだけど密かに期待している矢口監督「ダンスウィズミー」取り敢えず夏はこの二本に注目しましょ。冬にはスターウォーズ最終話も待ってます。
今日も雨降り。映画館にでも出かけましょうか。
日本の音楽シーンにおいて確固たる地位を築き上げた巨人が逝った。
わたくし達の世代ではフォーリーブスと郷ひろみを生み出した音楽事務所として忘れ難い。
田原俊彦や近藤真彦が大ブレークして、たのきんトリオというアイドルとは思えないネーミングが全国を席巻し、少年隊シブがき隊と続き光GENJIの爆発的なヒットへ辿りつく。
その後はこのビジネスモデルを踏襲し、SMAPや嵐のような息の長い国民的グループを擁する巨大音楽事務所となった。
プロデューサーとしての卓越した手腕は今後そう現れることはないだろう。
その偉業に合掌。
今年の梅雨は長く雨が降り続く。
去年は六月中に梅雨明けしてしまったから、その反動なのか。
小糠雨の降る桂川の上流部で山女魚を釣る。
水量が多いと川も生き生きしていて釣り心地も良好。
小さな魚が多いけどお昼までに30尾くらい釣ってもう満足。
久し振りに漁協の手伝いをしてバケツに泳ぐ魚を放流する。
七寸ほどに成長した山女魚が元気に放たれた。
去年は六月中に梅雨明けしてしまったから、その反動なのか。
小糠雨の降る桂川の上流部で山女魚を釣る。
水量が多いと川も生き生きしていて釣り心地も良好。
小さな魚が多いけどお昼までに30尾くらい釣ってもう満足。
久し振りに漁協の手伝いをしてバケツに泳ぐ魚を放流する。
七寸ほどに成長した山女魚が元気に放たれた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/c8/9e01f6f4e91e6f44226ae9d7f139ef7c.jpg)
高校を卒業して暫くカッコ付けるためにパチンコや麻雀なんかもやってみたけど、賭け事が心にも身体にも合わないので還暦間近のこの歳になっても馬券さえ買ったことがない。
それ故にこの映画の主人公郁男が抜け出せない博打依存症がピンとこないのだ。
内縁の妻から止めるように諭されるくらいでは改心できるようなものではなく、妻の実家へ移り住んでからもますます依存は募っていく。自分の経済力の範疇で解決できるなら何も問題ないのだろうけど、それが出来ないから依存症なんだろう。
妻の父親から身辺整理するよう言われて受け取った大金も結局博打につぎ込んでしまう。そのことがいけないことで、自分の弱さだらしなさをも分かっているのがかえって始末が悪い。自分の周りにそんな人がいないから想像するしかないけど、本人もそれなりに辛いのだろうが関わる身内としてはたまったものじゃない。
わたくしはこの映画の主人公に思い入れをすることは出来なかった。
心の弱さもだらしない生活も優柔不断な性格も、可哀想な人だとは思うけど同情する気にはならない。
だから、そんな彼を最後まで見捨てず寄り添う血の繋がらない(戸籍上も繋がらない)義理の父親と娘の情愛に涙してしまうのだ。
彼らを繋いでいた唯一の存在である内縁の妻が殺害され、結びつくはずの無い歪な形の家族が形成されてゆく。昨年の「万引き家族」みたいに不完全なパーツが寄り添いあうことで、家族の形を作り出そうとするところは最近の日本映画の主題なんだろう。
白石監督の優しさが映画の余韻を穏やかなものにしている。ラストクレジットで海に堆積した津波の残骸を写し取っているが、園子温監督作品「ヒミズ」の残骸の荒々しさとは違い、明日を信じていいように思えるのはあの災害から8年も過ぎ去ったからだろうか。
この家族が穏やかな凪の時間を迎えられるよう願う。
作り物だからドラマチックじゃなきゃ観客を喜ばせられないと思い込み過ぎの設定が気になった。
先ずは妻が知人に殺されるってほとんどありえないが、この設定がないとそもそもこの映画の本質が描けないから仕方ないとして、犯人がリリーフランキーってのはなぁ。「凶悪」のリリーを知っていると、やっぱりと思ってしまった。
義理の父親がヤクザの親分に貸しがありましたってのも、ご都合ぽい設定でちょっとしらけた。
あんなに大っぴらなノミ行為をしていれば警察の介入がありそうなものだが、その辺も触れられる事無く無法者地帯のようだった。
色々な方が褒めているけど、香取慎吾のダメっぷりは下手な誇張も無く褒められるべき存在感だった。娘役の恒松祐里が頑張っていたのが印象的だった。「くちびるに歌を」でリーダー的な中学生を演じていた時に比べ随分大人になったものだ。これからが楽しみな女優だとマークしておこう。