まだ結婚できない男
まあそんな落としどころかな。この話は成長性もなければ結論もない。結局、結婚したくない中年の独身男のこだわりを楽しむしかない。だから続編は作られるべきではなかったのかもしれない。逆に考えればシリーズ化して何話も作ることができる。そう考えると寅さんが延々と片思いをし続けながら数多のヒロインを介した「男はつらいよ」との相似性に気付く。寅さんと違うのは、寅さんには家族がしっかり描かれていたことか。旅の寒空の下襟を掻き合わせる寅さんの悲哀が結婚したくない男には感じられなかった。(それが見せたかったわけじゃないのは重々承知)そんな描写が少しでもあれば深みは一層増すことだろう。
同期のサクラ
7年くらいまではドラマとして観る事が出来たけど、最後の3年間はつまらなかったし最終話なんか余りにも仲間意識の安売りが過ぎて白けを通り越し嫌悪感さえ覚えた。せっかくシナリオの設計は良かったのに残念な結末だった。
新米姉妹のふたりごはん
美味しそうな料理ができるまでのスローモーションを多用して見せる技を、女の子同士(姉妹だったり友人だったり)の戯れにも使って一種の異次元を醸し出している。その手の描写をあざといと感じてしまえばこのドラマは気持ち悪いものでしかないだろうな。
終盤で姉をパリに行かせて妹ひとりの話にしたのは、原作7巻までには無かった。何らかの意味合いがあるのだろうけど、最終話でタップリ百合的姉妹の絡みを堪能させた仕掛けとしては成功だった。いかにも深夜ドラマ枠で、テレビ東京じゃなきゃ作れなかっだろう風味のある面白いドラマだった。
時効警察はじめました
三谷幸喜の舞台劇を観ているような楽しみ方でいいのだと思う。
だから楽しそうに戯れている演者たちと共にくだらないタイミングを共有して笑えればいいんじゃないかな。パーツ毎のお話はそれほど凝る必要もないから、スタッフ・キャストが楽しめるうちは続編を作るのもありかと思う。
4分間のマリーゴールド
題名の意味がやっと分かった。4分間は蘇生までのタイムリミットだったんだね。
同時期にフジテレビの傑作シリーズ「救命病棟24時」を観ていたので、救急救命の描き方に随分軽さを感じてしまった。まあ、姉弟の不思議な恋愛ドラマだったからそれはそれでいいのだろうけど。
菜々緒の魅力に気付けただけでもいいかと納得しておこう。
スカーレット
恋愛編になってから二人のシーンが多いせいか、物語が小さくなった気がする。大阪編のお手伝いさんだったことはいったい何だったんだろう。陶芸家としてこれから二人で歩んでゆくストーリーが後三月続くと思うとちょっとげんなりするな。お父さんの死が中盤のクライマックスとなった。
話変わって、連ドラとは言えないかもしれないけど、NHK特集で四夜連続でやってた地震災害特番の中のドラマ「パラレル東京」は面白かった。小芝風花が新米キャスター役でがんばっていた。CGのお陰で災害のシーンは説得力あるようになり、人間ドラマが薄っぺらいと一層見劣りしてしまう。かつての災害ドラマ「日本沈没」を今NHKが大河ドラマとして制作したら興味深いなと考えた次第。
ひとりキャンプで食って寝る
しみじみ良いな。
30代の頃はテントを張って釣った山女魚を串刺塩焼きにし、川縁でビールを飲むのが毎度のことだったけど、魚を全部リリースするようになってからはコンビニで買ったつまみとお弁当で済ませるようになってしまった。いつも一緒に釣行していた友が怪我のため川に来られなくなってからは、テントも面倒で年に2〜3回しか広げない。
そんなアウトドアおじさんにこのドラマはひとりキャンプの楽しさと味わい深さを思い出させてくれた。来年こそは新しいテントを買って、なるべく炎と戯れる時間を持とうと思う。そんな気持ちにさせてくれたドラマだった。
一番好きだった挿話は、嬬恋の高原で出会ったハンター女子との会話。わたくしの生まれ故郷の方言が耳に優しく、あんな一夜もひとりキャンプの醍醐味だなと頬が緩む。
1月からは大好きなアウトドアアニメ「ゆるキャン△」が実写ドラマ化されるので、キャンプ好きには嬉しい連投だ。