前作が楽しめたので、今年最初に鑑賞する映画は昨年同様韓国映画になっちゃった。
娯楽作品としてはもう絶対日本映画より数段上の作りだと思う。
「シュリ」あたりから始まったハリウッド化に行き着いた感がある。国策としてお金も才能も集約できたことがエンターテイメントにも如実に表れるんだと20年の歳月で実証されている。いくらCGだからって、廃墟となった街並みに溢れるゾンビや疾走するカーアクションの迫力を今の日本映画は作り出せない。
それでも個人的には前作の方が好きだ。前作は父と娘の話だったことと、決して楽観的な結末でお茶を濁さなかったことが余韻を残すことになっていたからだ。引きかえ続編は朝鮮半島がゾンビ化してしまったこと以外の繋がりは全くなくて、香港に脱出した元軍人の主人公が半島に再度上陸する理由もお金だったりするのも何だか東洋人のメンタルとはちょっと違う気がする。決定的なのは二人の姉妹のお母さんが機関銃をブッ放すのは良いとしても、何だか綺麗に皆救助されちゃうのはおバカなハリウッド作品のようでがっかりした。
作りはハリウッド映画を模倣しても良いと思うけど、培われた民族の感覚までも真似してはダメだ。真のインターナショナルはナショナリズムの中からしか生まれないし、優れたエンターテイメントはその土台があってこそ輝く。
どうでもいいんだけど、題名の「新感染半島」ってなぁ〜。前作が高速鉄道でのお話だったから、新幹線と語呂合わせで面白い題名にしたのは正解だったけど、まさか続編ができるとは思わなかったのだろう。
コロナというゾンビが大暴れしている今、感染することの恐怖が描けていたらもっと面白くなっただろうにな。