冬休み期間中(12/26~1/3)半日動物園で遊んだだけで、食材の買い出しと散歩以外お家から出なかった。
CS放送で年末年始ドラマ一気観企画を沢山やっていたので退屈はしなかったけど。
年明けに放送された二本のスペシャルドラマについて書こうと思ったけど、その前に、暮れにCS放送していた「高校教師」の桜井幸子の事だけお話したい。今更だけど、もう芸能界引退していたんだね10年も前に。正月にCS放送した「Dr.コトー診療所」にも印象深い役で出ていたからてっきり現役だと思っていた。あのドラマだって20年近く前のだものなぁ。赤名リカは鈴木保奈美じゃなきゃいけないのと同じくらい二宮繭は桜井幸子でしょ。再見して心底そう思った。「世界の中心で愛を叫ぶ」のドラマオリジナルキャラだったシングルマザー役もそう言えば好きだったな。つるりとした和風顔も肌触りの良い絹声も会えないと思うと愛おしい。いい女優だった。
さて、満を持しての続編「逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!」。
制作決まってから待ちに待った放送。スタッフキャストほぼ一緒と聞いていたのでブレることはないと思っていたが、あまりにもそのまんまなのであれから四年も経っていたなんて思えない。引っ越ししてベットは別々だけど同じ部屋で寝起きするようになったみくりさんと平匡さんに赤ちゃんできて、それじゃ正式に籍入れようじゃないかと話は進んでいく。少子化の根本課題である男女の恋愛や結婚の先にやってくる子供を持ちそして育てるということの難しさ。それにまつわる衆人の無理解と社会環境の理不尽さを今回のドラマは描いた。後半はコロナ禍の中で人はどう繋がってゆくのかという壮大な哲学にまでドラマは踏み込もうとしている。
原作者海野なつみと脚本家野木亜紀子の共作と考えてもいいだろう物語は、四年前のシリーズをより一層パワーアップして、今日の何気ない生き辛さを笑いの中にまぶして提供してくる。新垣結衣、星野源はじめ演者もブランクを感じさせない鉄板の成り切りぶりで安定感抜群。良いものを作ろうとする真意が伝わってくる力作だった。
だけど、そうなんだけど、二時間半の中であれほど社会問題を詰め込まれるとちょっとキツイ。説教臭くならないようにNHKのEテレパクリまで準備していたのにもかかわらず、加害者側に立たされそうな我々オジサン世代には素直に追従できない部分もあったりして。(わかっちゃいるんだけどね)
ネットに転がっている名セリフを摘みながら今回提示された問題点を探ってみよう。
「サポートって何? 手伝いなの? 一緒に親になるんじゃなくて?」byみくり
「尿が漏れても1人」byみくり
「父親も母親も、いきなりはなれないのよねー」byみくり母
(オジサンの独り言 其の壱)
親になる事は確かに一人じゃ出来ない。オスとメスあってのことだから。でもね、オスのわたくしの一方的な見解だから怒らないで読んで欲しいけど、自分の体内に子を宿すメスとは一緒に(同じ温度で)親になるのは難しいんじゃないかな。みくりの怒りも孤独感もわかるんだけど、みくり母が言うようにいきなりにはなれないし、オスとメスには時間差もあるってこと。
「僕みたいな、1人で生きる人間もいるってことです」by風見さん
「独り身にも、もっと優しい社会になってほしい」by百合ちゃん
「どっちの意味でも嬉しいなと思ったよ。好きって言ってくれてありがとう」by百合ちゃん
(オジサンの独り言 其の弐)
一人じゃ淋しいって言っている人ほど実は、独りを楽しんでいるように感じてしまうんだよな。これもわたくしの独断的偏見かもしれないけど、独り者に優しい社会は必要ない!そんな社会になっちゃったら家族を作る苦労をしている人達に申し訳ないでしょ。覚悟をもって独りでいるべきです。でもね、LOVEじゃなくともいいから誰かに好きって言って欲しいと思うし、好きって言える誰かがいることは必要だと思う。
「そもそもなんですけど、仕事を休めないってこと自体が、異常ですよね」by平匡&みくり
「誰が休んでも仕事が回る。帰ってこられる環境を普段から作っておくこと。それが職場におけるリスク管理」by沼田さん
(オジサンの独り言 其の参)
わたくしが今勤めている会社も働き方の多様性云々とか言い出して形だけは整えようとしているけど、沼田さんが言うようなリスク管理がなされている会社ってそうはないと思う。誰かが抜けても一時の混乱はあるにせよマンパワー頼りで何となく切り抜けてしまい、いつしかそれがまた標準になってしまう。これはもう日本人の性だね。黒船来ないと治らない気がする。
「責任はもちろんあるけど、大黒柱ってもう古いんじゃないかな」by平匡
「泣きたいのはこっちですよ」by平匡
「男らしくあらねば。それもまた、呪いかもね」by百合ちゃん
「周りの手も借りて、やっていきませんか?」byみくり
「楽できるところはしていきましょう。逃げるは恥だが、役に立ちます」by平匡
(オジサンの独り言 其の肆)
シリーズで百合ちゃんが女の呪いを若い女性に語る名シーンがあったけど、今回は男の呪いにまで言及してきた。古い時代に生きたわたくしとしては、自分を鼓舞するつもりでの男らしさは必要だと思っているし、それがモチベーションになり矜持にもなると考えている。男と女が何でも一緒である必要はなく、得意なことを得意な方が請け負えばいいわけで、それが周囲の人であってもいいし、ましてや自ら苦労を背負い込む必要などさらさらないとも思っている。
新春早々凄いドラマ観ちゃった高揚感はあるけど、素直に喜べなかった一番の原因はシリーズの肝だった「ムズキュン」がなかったことだと思う。それは物語上、主人公のみくりと平匡は結婚して親になろうとしているんだし、百合ちゃんと風見は既に別れちゃっている。沼田さんと梅原君のカップルじゃキュンとはしないので仕方ないことだけど。
その間を埋めるように次々繰り出された社会問題提起にやや閉口してしまい、晴れやかな気持ちでみくり平匡夫婦と愛娘の誕生を楽しめなかった。というのが正直な感想だ。
凄く贅沢な無い物ねだりをしているようで申し訳ありません。とスタッフ・キャストには謝っておきます。一級品のドラマだったことはゆるぎない事実ですよ。これはホント。
長くなっちゃったので、もう一本は別の機会に書きます。