むぎわら日記

日記兼用ブログです。
野山や街かどで見つけたもの、読書記録、模型のことなどを載せております。

『プリズンの満月』吉村昭(新潮文庫)

2018年09月18日 | 読書

プリズンとは、東京の戦犯収容所である巣鴨プリズンのことです。

主人公の刑務官から見た戦犯たちを取り巻く状況が、淡々とした文章でつづられています。

戦犯とはなんであったか、巷にはイデオロギーによって偏った戦犯像が氾濫していて、よくも悪くもその影響を受けざるを得ない現在でありますが、この小説はミクロの視点から客観的に戦犯のおかれた状況を知ることができます。

巣鴨プリズンで行われた処刑~減刑~そして形骸化したプリズンが時の流れで消滅するまでを見つめていけるのです。

戦犯に興味を持った人は一読の価値があります。

恐らくは、戦犯を理解するうえで新しい切り口が一つ増えるはずです。

以下、余談。

この本は太平洋戦争の戦犯を描いていますが、吉村昭の『赤い人』は、明治維新の内戦に敗れた人々が北海道の開拓に駆り出される姿が描かれています。これも一つの戦犯の姿だと思い、時代によって翻弄される敗者の姿であることに違いないと思いました。

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ツクツクボウシの姿を見た!

2018年09月18日 | 小さな自然

生まれ育った新潟県村上市では鳴き声すら聞いたことが無かったのだが、新潟市周辺ではよく鳴いているのに驚きました。

一度その姿を見たいと思っていたのですが、警戒心が強いセミなのか、近づくと泣きやんでしまい姿を捉えることができませんでした。

しかし、昨日、やっと撮影に成功したのです。

「オーシツクツク」と十数回繰り返した後、「トッポジージョ」と三回くらい鳴いて閉めるのが面白いです。

最後の「トッポジージョ」は諸説あり、検索してみたら、けっこうマイナーな部類でしたが、トッポジージョと聞こえる人もけっこういるので安心しました。

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