新潮文庫の100冊の初期の常連本です。
著者自身をモデルにした主人公の純愛女性遍歴(笑)をたどりながら、戦争を挟んだ激動の時代の中の”あすなろ”たちを追います。
6編の連続短編からなっていて、誌的な題名が付けられていて、それぞれにキーとなる詩的な文章で〆られているのも魅力です。
これを愛読書としている人が多いのもうなずける内容です。
ある意味、まっとうに生きている男の内面がよく書かれていると思います。
ある意味とは、時々の女性に引かれながら、あすなろになろうとし、またはあすなろとして歩んでいく姿のことです。