高校生のころ途中まで読んでいたものを再読しました。
本の紹介では、人肉食がポイントのようですが、今読むとヤマビル常食の方がショックに感じました。
餓えによる人肉食の話は、多くありますので、飢餓によることはあるのだろうなと思っていますから。
それより、自分に張り付くヤマビルを生で食べて生き延びるのは初見です。
現地人の女や、友軍の兵士を殺したことが記憶にあるのに、人肉食だけ強く否定し記憶から欠落という精神状態で精神病院で、この手記を描いているという衝撃的なラストでした。
なるほど、殺人よりも人肉食の方がタブー視されるというのは、現代社会でもありますね。
殺人シーンは、漫画・小説にも溢れていますが、人肉食を描いた漫画が発禁になったりしています。
そのようなことが個人の精神内でも起きたというのがこの小説の味噌のような気がします。