第100回芥川賞作品。
受賞した表題作の他3編の小説が収録されていました。
どれも東南アジアの国々と、長野県の医院とのかかわりが色濃く描かれた作品です。
逝く人と見送る人との対話が主となります。
熱帯の猛暑と長野の冷涼な気候の対比が独特の味をだしています。
表題作は、長野県で看護士として働く男と、小さな鉄道の運転手をしていた父、末期がんで入院中のアメリカ人(ヴェトナム戦争で戦闘機のパイロットをしていた)、そして、幼馴染の女性との交流を描きます。
皆、秋の終りと共に主人公のもとから去って行き、きらめく結晶だけが残るそんな物語でした。