むぎわら日記

日記兼用ブログです。
野山や街かどで見つけたもの、読書記録、模型のことなどを載せております。

『生きる力 森田正馬の15の提言』 帚木蓬生(朝日選書)

2019年12月03日 | 読書

作家であり精神科医でもある帚木蓬生(ははきぎほうせい)が、松岡子規や香月泰男のエピソードを交えながら、生きる上で大切なことを書き綴っていきます。

ベースにあるのは、森田正馬の教えです。

森田正馬は、明治から昭和初期にかけて生きた精神分析の大家です。

精神分析の始祖はフロイトとされていますが、正馬の場合は、フロイトとはまったく別の角度から斬り込んでおり、東洋的で、日本人としては腑に落ちる考え方です。

今でいうメタ認知などと同じようなことが語られており、50歳をすぎた自分にとっては、わかり過ぎていることが書かれています。しかし、わかっているからと言って、絶えず実行し、有効に使えているかと言えば否であり、たまにこういう本を読んで再認識することが重要だと思います。

現在も精神病患者の治療に使われている森田療法ですが、その考え方は健康な人間にも有効であると著者は言います。

やがて、病の床に臥すことがあっても、この書を思い出せば、生きる力を漲らせ、最後の一呼吸まで有意義に生きられそうです。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする