小学生の夏休みと言えば楽しい思い出ばかりです。
そんな気分に浸りたくて読んでみました。
ミステリーに分類される作品ですが、ホラーチックで楽しめました。
私にとっては、出来がよいホラー小説です。
以下、ネタバレ含む
この作品の最大の嘘は「生まれ変わり」にあります。
生まれ変わりなんて、あるわけがありません。
人が死んだ前に、すでに産まれている動物に生まれ変わっていること、トカゲやクモやカマドウマや猫が人の言葉を話せるはずがないことなどから、生まれ変わりは、主人公の幻想だと解ります。
ここに気が付くかどうかで、この小説のとらえ方が違ってくるでしょう。
私はホラーでもファンタジーでも、(話の中では不思議なことで通しているけど)科学的に説明がつく物語が好きです。
この小説もそうで、生まれ変わりは、ヒステリー型の精神障害の症例だと考えることが出来ます。
同じ事件の同じショックにより、主人公とその母親に同様の症状が出ており、火災により人形が焼失した母の症状は消えますが、トカゲ(ミカ)を救ってしまった主人公の症状は消えていません。
ここがホラーチックな終わり方なのです。