むぎわら日記

日記兼用ブログです。
野山や街かどで見つけたもの、読書記録、模型のことなどを載せております。

『雪の断章』佐々木丸美(創元推理文庫)

2020年12月16日 | 読書
あまり有名ではありませんが、1975年に刊行され、今でも読み継がれているロングセラーとなっています。
孤児の主人公は7歳のときに引き取り先の家でのいじめに耐えきれず飛び出した雪の日に、青年に拾われます。
青年の親友でノリが軽いお兄さんと、となりに越してきたやさしいお姉さん、孫のようにかわいがってくれる管理人のおじさん、いじわるな家政婦のおばさん、同級生の快活な親友などに見守られながら育っていく話です。
おとぎ話風に言うと王子様に拾われた孤児の女の子が、騎士と貴族のお姉さんと、やさしい門番のおじいさんと、いじわるなメイド長と、親友のお嬢様に見守られながらわがましほうだいに生きるという、女の子なら生唾ごっくん物の設定でした。
主人公の性格が、内向的で思い込みが激しく独善的で優柔不断で爆発するときはヒステリックで、肝心なことは思っていることと反対の言葉を発したり、強情で口をきかなくなったりと、周りを振り回して事件を起こしてしまうものだから、話を面白くするために存在するような子です。
それでも、みんなから愛されるのは、必死で生きているからでしょう。
殺人事件が起こるのですが、主人公が犯人を突き止めても最後まで誰にも言わない(笑)展開に、そんな探偵初めてだ(爆)と思ったほどでした。
孤児ものの王道を行くようでも、なんでこうなるの?! と言う展開もあり楽しんで読めました。
雪の日のお家時間にお勧め(特に女子に)本です。

コメント (5)
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