むぎわら日記

日記兼用ブログです。
野山や街かどで見つけたもの、読書記録、模型のことなどを載せております。

『郵便屋』笹山久三(河出文庫)

2023年12月29日 | 読書
時は郵政民営化へ向かう小泉改革の真っただ中。
当局の締め付けにより、職場の人間性に不穏な心理的効果を与える手当の発効を止めることができない傀儡と化した労働組合。
規定より多い配達がある日に、班員全員が完全配達を成せばつけられる300円の手当のために、人間関係がバラバラになっていく。
それにあがなうためにどうすればいいのか。
人間性を捨てずに苛酷な労働環境の中で働く労働者の姿を描く、冬の時代の物語です。
郵便も少なくなってきてこういう現在は、このような状況にないのでしょうが、運送業はたいへんそうです。
若いころ、税務署でバイトをしていたとき、郵便屋さんの給料の低さに驚いたことがあります。当時は、国家3級公務員という制度でした。
現在の派遣社員のみなさんもこれに似た状況なのかもしれません。

コメント
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