昭和30代後半~40年代始めくらいに聞き込みされたアイヌのウウェペケレ(神話というのとは違う感じがするが、神の話という意味では神話であろう)集。
アイヌ民族の暮らしは、農業に関わらない狩猟・採集文化が色濃く残っていて、大和民族の縄文期を思わせる原始的な多神教の雰囲気が良く理解できました。
常套句も、よいものが多いのに驚きました。
例えば、「何がほしいとも、何が食べたいとも思わない」という文句は、満ち足りた生活を表現しています。
また、最期に「……と語りながら、一人のアイヌがこの世を去りました」と、その話は、人生最後に語られたのだと言うことが明かされる話も多く、人の大切な部分を語られたようで面白く感じました。
神には神の社会があり、人には人の社会があるのですが、神と人は平等であり、神が間違いを起こすとアイヌが怒って抗議するなど、神話というより昔話のような部分もあります。
クマの神やウサギの神、入り口の神や樹木の神、疫病の神など出てきて、どれも人間的に抜けたところがあったり誠実なところがあったりと、農耕時代に忘れてしまった自然との感覚を取り戻せるような気がしました。
本日の体重78.9キロ(目標差+3.9 前日差+0.8)