フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

カタン

2006-09-20 19:42:20 | Weblog
パンプがテーブルの前で居眠りをしてます。気持よさそうに船を漕ぎ出しました。そうこうしてるうちに「カタン」と大きな音がしました。その音に驚いてパンプが目を覚ましました。まだ意識朦朧です。何があったか分かりません。口を確かめるようにパクパクとして段々と目覚めてきました。そして、ハット気づいたのです。自分の口に歯がないことを。先ほどの、「カタン」という大きな音は、パンプの口からポイット入れ歯が、落ちてテーブルの上に転がった音でした。なんだか決まり悪そうに入れ歯を拾ってそそくさと洗いに行きました。ボケているのか、いないのか全く分かりません。天然の人は、本当に判断に迷います。「あっ、そこで洗っては駄目でしょう。」と言って、台所から洗面所に連れて行きました。ボケているのか天然なのかその境目には、春と夏の境目のような薄い膜があって、春が、細いナイフでその膜を切り裂くように、そのような関係が成り立つものかもしれませんね。パンプは、入れ歯をきれいに洗って口にセットしました。さぁ、ご飯にしましょうか。パンプは何故か、上着を着てテーブルに着きました。ディナーのつもりでしょうか。今日は、芋の茎を鶏肉と炒めて甘辛く煮たものと焼き魚、お吸い物だけなんですけど、まぁいいか。と食事の用意をするフェンネル氏でした。
コメント
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